| カルバン神学と資本主義には、マックスウェーバーがいうほどの強い関連はないと考えています。カルバンのキリスト教だけがと連想するとしたらおかしい。ただ、やはりキリスト教と資本主義は関連している。どういうことかというと、社会の中でリスクを背負う生き方が最高のモデルだという点。個人の利益や安楽の追求より、できるだけ多くの他人のためにリスクを負えるか。金持ちほど、地位の高い人間ほど負うべきリスクは増大する。まあ、大乗仏教でもいえるけどね。
要するに自分の才能や能力や知識や材を、人を出し抜いて安楽なポジションを得るために使う生き方より、それを他人のリスクを減らすために使う生き方。一般的にイメージされるお金持ちになるための努力とは正反対にみえるでしょう。このある意味、人間の本能に反する行動様式は宗教から生まれるのかもしれない。
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