■37302 / inTopicNo.47) |
Re[41]: マーラー3番の補足
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□投稿者/ パニチェ -(2024/05/15(Wed) 09:36:36)
| 2024/05/15(Wed) 11:04:35 編集(投稿者)
おはようございます、田秋さん。レスありがとうございます。
■No37300に返信(田秋さんの記事)
> knowingitself さんがマーラーの3番とツァラトゥストラとの関係に言及されました。その補足です。 > マーラーがツァラトゥストラから引用しているのは4楽章で、アルトが引用された詩を歌います。 > https://www.youtube.com/watch?v=6aM9hezKudY > マーラーが引用しているのは「ツァラトゥストラはこう語った」の「酔歌」の最後に載っている詩です。「第二の舞踏歌」にもほぼ同じものが載っていますが、一つ!二つ!というのは3番の歌詞にはありません。
> O Mensch! Gib acht! > おお、人間よ!心せよ! > Was spricht die tiefe Mitternacht? > 暗い真夜中は何を語るか? > 》Ich schlief, ich schlief―, > 「わたしは眠っていた、わたしは眠っていた― > Aus tiefem Traum bin ich erwacht:― > 深い夢からわたしは目ざめた。― > Die Welt ist tief, > 世界は深い、 > Und tiefer als der Tag gedacht. > 昼が考えていたより深い―。 > Tief ist ihr Weh―, > 世界の苦痛は深い―。 > Lust―tiefer noch als Herzeleid: > 快楽は―心の悩みよりもさらに深い。 > Weh spricht: Vergeh! > 苦痛は語る、過ぎ去れと! と。 > Doch alle Lust will Ewigkeit―, > しかし一切の快楽が永遠を欲する―、 > ―will tiefe, tiefe Ewigkeit!《 > ―深い、深い永遠を欲する!」
> (日本語訳はちくま文庫「ツァラトゥストラ 下」P345〜346より:傍点は省略) > これをほぼ正確に使っています。”ほぼ”という意味は、省略している部分はありませんが、繰り返している部分はあるということです。
> === > 《Weh》について > ちくまの日本語訳(吉沢伝三郎訳)は《Weh》を上述のように「苦痛」と訳している。一方、全音のマーラーの3番のスコアの解説を執筆している園部四郎氏は「悲しみ」と訳している。 > ウィキペディア > https://en.wikipedia.org/wiki/Zarathustra%27s_roundelay > に載る英訳では該当部分に《woe》という単語を用い、weblioでは第一義に「悲哀」を載せる。また、deeplでは第一義に「災い」を載せ、ついで「悲痛、哀れ、憐れ」と訳される。
> 私見では「悲しみ」が何となくぴったりするように思う(但し100%根拠のない感覚のみの感想です)。 > パニチェさん、他の日本語版ではどのように訳されているんでしょうね?
結論から返信しますと白水社版(個人的には和訳はこちらの方が好みです)では田秋さんのご明察通り「悲しみ」「悲哀」と訳されています。 田秋さんから振っていただいて、今回初めて気づいた点が他にもあります。
白水社版では『酔歌』の小題は『夜にさすらう者の歌』と訳されています。 参考までに白水社版に載っている詩の部分を以下に引用しておきますね。
************************************ 白水社版「ツァラトゥストラはこう語った 夜にさすらう者の歌」よりの引用
おお、人間よ!耳を澄ませ! 深い真夜中は何をか語る? 「わたしは眠った、わたしは眠った──。 「深い夢からわたしは目覚めた。── 「世界は深い、 「昼が考えたよりも深い。 「世界の悲しみは深い──、 「だが歓びは──悲哀よりも深い。 「悲しみは言う。<<過ぎ去れ!>>と。 「しかしすべての歓びは、永遠を欲する──、 「──深い深い永遠を!」
************ 引用終わり ************
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