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■3244 / inTopicNo.73)  ビオラの名曲
  
□投稿者/ knowing itself -(2020/06/24(Wed) 20:03:21)
    ビオラの名曲というと、ブラームスの二曲のビオラソナタが素晴らしいです。
    ユーチューブをみていたら、ベリオがビオラ協奏曲に編曲したものを、ベルリンフィル首席ビオラ奏者であるamihai groszという人が弾いていました。面白いですね。
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■3231 / inTopicNo.74)  Re[15]: ボレロ
□投稿者/ flora -(2020/06/24(Wed) 15:07:51)
    2020/06/25(Thu) 14:26:34 編集(投稿者)

    田秋様
    こんにちは。いつも詳しいご説明ありがとうございます。 

    ラヴェルの「ボレロ」は私の中で走馬灯のように回っています。またラヴェルの仕掛けた魔法、そうだったのですね。。。単純に聞こえるけれど実はすごい仕掛けがしてあったということ、本当にありがとうございます。余談ですが、ラヴェル・・・ちょっとホームズのイメージありませんか?(微笑)

    それから、水戸黄門のテーマ、まさしくそうですね!。

    田秋様は数知れない作曲家の曲を演奏なされたと思いますが、スコアを見て、[この作曲家は天才だ]と即座に感じた作曲家はどのくらいおられますか? 好きな作曲家としてベートーベンとストラヴィンスキーを挙げておられましたが、やはりその仕掛けた魔法に関係ありますか?ベートーベンのNo5(Op. 67)は出だしが難しいと聞いたことがありますが、やはりそうですか?

    オスティナート、はこれもでしょうか?
    Donna Summer - I feel love
    https://www.youtube.com/watch?v=NVeHtDHogLg

    暑くなりましたね、お体ご自愛くださいませ。




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■3228 / inTopicNo.75)  Re[15]: マーラー9番など
□投稿者/ knowing itself -(2020/06/24(Wed) 12:55:17)
    田秋さん、レスありがとうございます。

    > 世界のユースオケが集まり、フェスティヴァルを行ったのですが、そこで選抜メンバーによって二つのオケが作られ、一つは第九、もう一つはプロコフィエフの5番を演奏しました。私は第九の方に参加しましたが、指揮がジュリーニでした。

    すばらしいですね。クラシックが聴かれるところなら世界中どこにいっても通用する話しです。ジュリーニがユースオケと演奏した六番田園はCDになっているようです。第九の一楽章が宇宙創成の神秘を連想させるというのはその通りだと思います。

    > バッハはバイオリンに無伴奏ソナタとパルティータ合わせて6曲作り、チェロに組曲を6曲作りました。バイオリニストがチェロの組曲を弾くことは(原則)なく、その逆もありません。しかし幸運なことにビオラはどちらもレパートリーになります。ま、言ってみれば蝙蝠のような存在ですが、バイオリンからもチェロからも「ん、ビオラ?ま、曲も少ないことだし、好きにさせておこう。がんばってね」体よく無視されているのでいちゃもん付けられることもありません。

    ビオラ奏者の方はバッハの無伴奏チェロと無伴奏ヴァイオリン、合計で12曲を弾き込んでいる人が少なくないということですか。すごいですね。音楽の理解力も倍になるとか。
    それぞれの6曲は、チェリストとヴァイオリ二ストにとってのエベレスト登攀に喩えられるとか。クレーメルが言っていました。

    > あとバッハのレッスンを受けてとても大事なことを教わりました。「自由と規律の接点を見つける」ということです。ただただ楽譜通りに弾いても面白くないし、ロマン派音楽のように大げさなダイナミック、ルバートで弾いたのでは何やら品がなくなります。そのバランスを見つけなさいということです。それはバッハ以外の全ての作品に当てはまることです。自由に弾くということと勝手気ままに弾くというのは全然違います。目指すは自由、ただ規制のない自由はない、ということですね。
    >
    > 現在の私のバッハ感、相当揺らしても大丈夫!です。

    カントを思わせますね。
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■3214 / inTopicNo.76)  マーラー9番など
□投稿者/ 田秋 -(2020/06/23(Tue) 09:40:16)
    2020/06/23(Tue) 09:58:16 編集(投稿者)

    knowing itselfさん、おはようございます。ジュリーニの出発点がビオラだったとは知りませんでした。ジュリーニさん、シカゴとの録音の前にフィラデルフィアとも録音していますね。パッと聴いた感じではシカゴの方が私の好みに合っています。切れが大分いいな、という感じです。
    >こちらはもっとまろやかに歌ってますね。
    そう思います。ジュリーニのまろやかさとシカゴの切れがうまく融合していますね。ジュリーニ、ショルティ、シカゴと並べると、シカゴの能力の高さに1票!

    以前floraさんとのやりとりでイギリスの思い出を書きましたが、その1回目にユースオケでアバディーンへ行ったことに触れました。世界のユースオケが集まり、フェスティヴァルを行ったのですが、そこで選抜メンバーによって二つのオケが作られ、一つは第九、もう一つはプロコフィエフの5番を演奏しました。私は第九の方に参加しましたが、指揮がジュリーニでした。出だし、チェロの空5度(第3音が無い)の後、1st Vnが第一主題の主要動機(ミラー:鏡じゃなくて音名です)を弾くところ、彼は体の低いところで手のひらが上になる状態で拳を作り、パッと広げるのです。「これはスパークだ」と言ったのをよく覚えてます。
    もう一つのプロコの方、指揮が誰だったか思い出せません。バランスからするとジュリーニ級の指揮者だったのでしょうね。この時日本ユースは堤俊作が指揮でドボルザークの7番を持っていきました。コンサートマスターは澤和樹でプロコの方のオケのコンマスを務めました。

    いつか第九もリクエストに上ると思いますが、ニ短調の出だしがそのドミナント(ラドミ)の空5度(ラミ)で始まるとはのっけから異常事態です。ベートーベンが宇宙をどのように考えていたかは知る由もありませんが、何か壮大なもの(例えば宇宙)がポッと生まれる(ビッグバンが知られる以前の宇宙観:無からの誕生みたいな)ところを描写したのかなあと思います。

    <仏教、ニーチェ、脳科学他2>でバッハの話が少し出ましたね。私から見るとバッハはやはり偉大です。ただ「西洋音楽史の究極」という捉え方とは違うような気がします。変な譬えですが私のバッハのイメージは、作物が良く育つ土地、肥沃な土地、その土地に相当するのがバッハってな感じです。勿論、バッハ自身も素晴らしい果実をたくさん実らせています。落語の大名人がいたとして後世の落語家がそこを目指して一所懸命修業します。大名人と後世の落語家、どちらが素晴らしいかはあまり関係ありません。後世の落語家が「ああ、まだまだダメだなあ。」そう反省し更に研鑽を積む、そういう道標みたいな存在が私のバッハです。

    バッハはバイオリンに無伴奏ソナタとパルティータ合わせて6曲作り、チェロに組曲を6曲作りました。バイオリニストがチェロの組曲を弾くことは(原則)なく、その逆もありません。しかし幸運なことにビオラはどちらもレパートリーになります。ま、言ってみれば蝙蝠のような存在ですが、バイオリンからもチェロからも「ん、ビオラ?ま、曲も少ないことだし、好きにさせておこう。がんばってね」体よく無視されているのでいちゃもん付けられることもありません。

    あとバッハのレッスンを受けてとても大事なことを教わりました。「自由と規律の接点を見つける」ということです。ただただ楽譜通りに弾いても面白くないし、ロマン派音楽のように大げさなダイナミック、ルバートで弾いたのでは何やら品がなくなります。そのバランスを見つけなさいということです。それはバッハ以外の全ての作品に当てはまることです。自由に弾くということと勝手気ままに弾くというのは全然違います。目指すは自由、ただ規制のない自由はない、ということですね。

    現在の私のバッハ感、相当揺らしても大丈夫!です。


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■3210 / inTopicNo.77)  Re[13]: マーラー9番
□投稿者/ knowing itself -(2020/06/22(Mon) 20:45:45)
    同じシカゴ響でジュリーニの指揮した録音もかなりいいと思います。
    こちらはもっとまろやに歌っていますね。聴きながら浄化のプロセスを通り抜けるような感じです。

    ジュリーニは以後この曲を振らなかったという話ですし、ベルリンフィルでこの曲を振る予定だったのを、演奏する自信がないとかいって、医者の診断書まだ提出してキャンセルしたという未確定情報もあるようです。

    ジュリーニは好きな指揮者ですが、指揮者になる前はビオラ奏者でしたね。

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■3199 / inTopicNo.78)  Re[12]: マーラー9番
□投稿者/ knowing itself -(2020/06/22(Mon) 13:04:33)
    田秋さん、返信ありがとうございます。今のような調子でお続けください。面白く読ませていただいています。

    > knowing itselfさんはどの楽章がお好きですか。又、曲全体にどのようなイメージをお持ちですか。

    好きなのは4楽章です。両端がゆっくりした楽章というのは、ご指摘いただいたように、チャイコフスキーのラストシンフォニーの他は珍しいです。ただ、マーラーのゆっくりした楽章の耽美的で美しい雰囲気に馴染んでいれば、そういうもので始まって、そういうもので終わることに、抵抗は少ないのではないでしょうか。真ん中の二つもオーケストラの技が冴えて魅力的です。田秋さんのカキコミを読んで、この曲は恐ろしいものだと思われる人のために言っておくと、そればかりではない、十分すぎるほど美しい曲だと強調しておきます。

    > >エンディングの重量がヴィオラ奏者の肩にズシリとのしかかるという感じですか。
    > いえ、そのような高尚なことを考える余裕はありません。ひたすら恐怖との戦いです。これはソロを弾くときとは違う独特の緊張です。管楽器連中は(もう自分の出番は終了しているので)「さあて、誰が震えるのかな?」と至福の時間を過ごしています(他人の不幸は蜜の味)。

    こういう話しは評論家やただの音楽ファンからは絶対に聞けません。ものすごく面白いです。
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■3196 / inTopicNo.79)  ボレロ
□投稿者/ 田秋 -(2020/06/21(Sun) 19:26:33)
    2020/06/22(Mon) 14:23:12 編集(投稿者)

    floraさま

    こんにちは。ボレロは100%ラヴェルのアイデアの勝利ですね。最初から最後まで同じリズム、一番最後、一瞬ホ長調になるだけで後は全部ハ長調、テーマは二つだけ、書式は対位法的ではなく誤解を恐れずに言えば旋律と伴奏だけ。こんなシンプルな構造で作られた曲が世界で最もポピュラーで人気のある曲、やれば必ず拍手喝采の嵐、そんな曲になったのです。単純なものが秘める可能性、そこに着目し挑戦したところにラヴェルの天才を感じます。そしてこの単純さを補うのが音色の変化とppからffまでの一貫したクレッシェンドです。次々と管楽器がソロを取りながら少しずつ少しずつ音量が増大していきます。それを実現しているのが緻密なオーケストレーションです。最初と最後のページを見比べると笑っちゃいます(感動すると笑ってしまう癖があります)。

    二つのテーマのコントラストも絶品です。最初のテーマには臨時記号が1個もありません。どこからどう見てもハ長調です。それに対して二つ目のテーマはいきなりB(但しドイツ音名、=B♭)から始まります。B!本来第7音はH(=Bナチュラル)で導音の役割を担い、ああC(=主音)に行って解決したい!そういう音なのです。ですから当然B作は「オラァ上には上がらんけん」と上に行く振りをしながら下降していきます。その後しばらくして気を取り直し上行するのですが、勢い余ってDes(=D♭;Cの半音上)まで行ってしまいます。伴奏はずっとC durですから、半音でかなり激しくぶつかります。ぶつかっているはずなのですが、ああ、なんと怪しげで美しい緊張感でしょう。その後再び下降し一旦E(ハ長調第3音)に納まります。が、まだ浮遊は終わりません。As、B、Es、Desを通過してやっとCに落ち着くのです。この間伴奏はずっとハ長調です。Esが出てきた日にゃ、これはもうハ短調ですな。ハ長調家の人々から「どちらさん?」といわれそうなメロディラインです。こういう素晴らしいコントラストを持った二つのテーマもラヴェルの天才の刻印と言えます。

    が、やはりこの曲の生命の根源はスネアドラム、あの水戸黄門のリズムです。
    これは一般的にはオスティナートと呼ばれるもので、同じことの繰り返しを意味します。ある一定の和声の繰り返し(有名なところではパッフェルベルのカノン、シャコンヌもそうですし、パッサカリアも。ひょっとしたら変奏曲もこのカテゴリーかも)と、このボレロのようなリズムパターンの繰り返しがあります。これも色々具体例があると思いますが、私の好きな曲ではバルトークのピアノコンチェルト1番の第2楽章があります。
    https://www.youtube.com/watch?v=0eGH826Y3CI
    このオスティナートの効果ですが、呪術的というか、聞いているんだけれど段々耳が慣れてきて聞こえなくなる(邪魔にならずに他のものが聴ける)、知らず知らずにトランス状態になってる?みたいなところがあるように思います。大人数の読経にもそんなものを感じます。ただ読経はそんなに興奮はしてきませんが(トランス状態或いは無心になるかもしれません)、ボレロはそこに気づかない程度のクレッシェンドが徐々に加わわっていきます。またずっと同じコードというのも「一定のコード進行の繰り返し」の、コードが1種類版ということですからやはりオスティナートです。ですからボレロはリズムと和声両面でオスティナートということになります。
    これが最後お客さまを興奮の坩堝に陥れるラヴェルが仕掛けた魔法なのだと思います。

    同じコードの作品例
    Beatles RevolverよりTomorrow Never Knows
    https://www.youtube.com/watch?v=pHNbHn3i9S4
    山下達郎 アトムの子
    https://www.youtube.com/watch?v=5Eb7d4Y5tHc
    途中で山下達郎が鉄腕アトムの主題歌を歌うところがあります。これはオスティナートとは少し違う、オルガンプンクトという手法です。オルガンが低いバスを持続させその上で殆ど自由にメロディや和声を奏でるという手法です。オスティナートに分類されているのかもしれません。
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■3194 / inTopicNo.80)  Re[11]: 好きな指揮者
□投稿者/ flora -(2020/06/21(Sun) 19:14:01)
    2020/06/25(Thu) 14:29:56 編集(投稿者)
    2020/06/22(Mon) 15:18:42 編集(投稿者)

    田秋様、

    ご丁寧はお返事ありがとうございます。
    また山田一雄先生の楽しいヴィデオをご紹介くださり、ありがとうございます。

    音楽が大好きといことが本当に伝わってきます。すべての分野に山田先生のような指導者がおられたのならいいでしょうね〜。


    > 自分の好みに合う指揮者となると、ショルティを挙げることができます。一度だけハンガリーで聴いたことがあります。その時はミュンヘンフィルと一緒に来て、曲は忘れましたがアンコールの前ハンガリー語で「知らない人はいないと思うけれど」と言ってハンガリー民謡を演奏しました。

    理由は異なりますが、ラフマニノフもドボルザークも故郷への哀愁は計り知れないものがあったと読んだ記憶があります。おそらくショルティも自分の故郷への誇りと哀愁、並々ならぬものがあったと想像いたします。

    > ラザレフの練習は大変厳しいのだけれども、それだけのものを日フィルに残したのは確かで、彼によって日フィルの実力は確実に上がりました。頑固な職人気質で、大工の弟子が親方を慕う、という感じです。

    この方も小澤征爾氏同様に、カラヤン国際指揮者コンクールで優勝なされたのですよね。
    小沢氏はカラヤンを尊敬なされているようですね。(Youtubeでヴィデオ等を拝見しました)。

    小沢氏はベルリンフィルの団員のまえので、「自分は中国生まれで日本育ち。西洋音楽の歴史が全くないのです」と仰っていました。田秋様もリストアカデミーに留学なされて、やはり西洋音楽の厚さを感じられましたか? 歴史がないと理解をするのが、難しい、したがって指揮(演奏も)が難しいというようなことは、やはりあると思われますか?

    単刀直入に伺って大変申し訳ないのですが、以前からどういうものなのか知りたいと思っておりました。

    > 良い指揮者の条件:いろいろな見方があると思いますが、その一つにプレーヤー全員を振れる指揮者、言い換えるとどのプレーヤーにも、ああ自分を振ってくれてる、と思わせることが出来る指揮者は良い指揮者です。

    はい、それはわかります。信頼関係が築ける関係ですよね。それからカラヤンの件、「目からうろこ」でした。やはり実際に演奏をなさる方に伺えるということは、非常に幸福だと思います。

    私へのお返事は急ぎません。引き続きよろしくお願いいたします。

    PS ロシアの作曲家でプロコフィエフも斬新で好きです。

    Prokofiev: Romeo and Juliet, No 13 Dance of the Knights (Valery Gergiev, LSO)

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■3193 / inTopicNo.81)  お礼
□投稿者/ 田秋 -(2020/06/21(Sun) 17:53:10)
    pipitさん お読みくださりありがとうございます。

    山田一雄先生にはいろんなアクシデントがありましたが先生にはそれを補って余りある音楽とダンディズムと人間味がありました。当時若造であった私にも気軽に声をかけて下さいました。

    舞台での緊張の話ですが、緊張して弓が震えているのを同僚に見られるのが恥ずかしいのです。私はラザレフ指揮でショスタコービチの11番の演奏をした時、世にも恐ろしい経験をし、それ以来震えなくなりました。やはり経験は大事ですね。
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■3192 / inTopicNo.82)  人間味
□投稿者/ pipit -(2020/06/21(Sun) 16:08:48)
    みなさまこんにちは!

    私はクラッシック音楽は未知の世界なのですが、
    田秋さまのお話は、経験の迫力とはこんなすごいものかぁ(@_@)と驚きとともに
    読ませていただいています。

    ありがとうございます。

    クラッシック音楽のことわからないわたしには

    >既に曲が終わっているのですが先生はまだ振っています。そこでお弟子さんが小声で耳打ち「先生、もう終わってますよ」<

    とか、

    >ひたすら恐怖との戦いです。これはソロを弾くときとは違う独特の緊張です。管楽器連中は(もう自分の出番は終了しているので)「さあて、誰が震えるのかな?」と至福の時間を過ごしています(他人の不幸は蜜の味)。<

    とか、すごくおもしろいです。

    ありがとうございます (^_^)


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■3189 / inTopicNo.83)   マーラー9番
□投稿者/ 田秋 -(2020/06/20(Sat) 23:05:29)
     knowing itselfさま

     聴きどころとは方向がかなり違う文章でしたが、これからもこのような事しか書けません。

    knowing itselfさんはどの楽章がお好きですか。又、曲全体にどのようなイメージをお持ちですか。

    >エンディングの重量がヴィオラ奏者の肩にズシリとのしかかるという感じですか。
    いえ、そのような高尚なことを考える余裕はありません。ひたすら恐怖との戦いです。これはソロを弾くときとは違う独特の緊張です。管楽器連中は(もう自分の出番は終了しているので)「さあて、誰が震えるのかな?」と至福の時間を過ごしています(他人の不幸は蜜の味)。
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■3187 / inTopicNo.84)  Re[10]: マーラー9番
□投稿者/ knowing itself -(2020/06/20(Sat) 19:16:33)
    読み応えのある長い書き込み、本当にありがとうございます。この曲の聴き方が自分の中で確実に変わると思います。

    > 最後は2017年の山田和樹です。最後の山田和樹との演奏は、山田和樹氏がオーチャードに営業に行ったら採用されたという企画です。3年かけてマーラー全曲演奏をする、1年に3曲ずつあまり期間を置かずに演奏する、曲順は番号順、大地の歌と10番は省く、というもので2015年から始まりました。

    マーラーの完成された交響曲は全曲演奏されたのですね。

    > 演奏会の後しばらく経ってコバケンと話をする機会があって、あのコンサートのことを尋ねると、「いやぁ○○ちゃん(私のこと)、あの時は屠殺場に引っ張られていく心境でしたよ」と仰っていました。

    日本を代表する指揮者の一人であるコバケンさんをもってしても難曲ということなのですか。聞くところによると、どんな長大な曲も暗譜してしまうというバレンボイムも、マーラー9番のときは譜面をみていたとか。

    >コバケンとは1,2,5,8番、特に5番は何度も演奏しており、9番も所謂コバケンのマーラーでした。コバケンは横の流れを重視し、どんな場合でも旋律を出させます。例えばシェエラザードの冒頭、力強いユニゾンの後の木管のコラールも和音の最高音をつないで旋律とします。僕なんかは和音として捉え和声の変化を楽しみたいと思うのですが。

    こういうところはヴィオラのプロならではの感覚なのでしょうか。

    > なんとマーラーは享年50歳だったのです!なんとなく、あれだけの大掛かりなシンフォニーを9曲も書いたのだから60年以上は生きているだろうというのが根拠のない予想でした。なんと、9番は1909〜1910年に書かれていますすから彼の48〜49歳の作品です。自分はその年齢の時、一体何をしていたか!?自分が作曲家だとして50歳前に9番のようなものが書けるか!?

    しかもマーラーはウィーン歌劇場とウィーンフィルの指揮者でしたね!すごすぎます。

    > さてビオラはこの曲でどんな活躍をするでしょうか?間違いなくここです(譜例参照)。曲の一番最後です。ここは練習のしようがありません。うちでいくら練習しても何の足しにもなりません。ここは音楽との対決ではなく恐怖との戦いなのです。7小節前にAeusserst(Aウムラウト+u+エスツェット+erst) langzamとあり、最後にersterbendとあります。この二つの意味は知らない方が幸せです。最初が「極めて遅く」、後ろは「死に絶えて」です。アウサースト langzamで呼吸困難に陥りersterbendで心肺停止になります。Ersterbendは曲が死ぬのではなくビオラ弾きが死ぬ、という意味です(キッパリ)。

    1時間30分に近いという思いっ切り密度の高い傑作、それも最後に静寂、聖なる静寂という言い方をする人もいますが、オーケストラが充実した響きを1時間30分にわたって鳴らしたあとに静寂・沈黙に溶け込んでいく、消えていきます。そのエンディングの重量がヴィオラ奏者の肩にズシリとのしかかるという感じですか。

    こういうお話しをうかがうと、奏者の方は受動的に聴いて感動したつもりになるリスナーの100倍は密度の高い経験をするのかと、感心します。

    > Knowing itselfさんはショルティ=シカゴのマーラーをお持ちだと書いていらっしゃいましたね。僕も持っていて同じレコーディングだといいのですが、1楽章の 20’10”辺りのオケが下降してきたところにトロンボーンが冒頭のリズム動機を吠えるところは、地獄というか煉獄というかそういうもの見せられた、或いはそういうところへと突き落とされた感じになります。大好きな箇所です。

    そうですね。ショルティ=シカゴの金管の切れ味、パワフルな明晰さは圧倒的です。

    > 曲全体の構成にはチャイコフスキーの悲愴がマーラーの頭の中にあったのではと思っています。3楽章の乱痴気騒ぎ、4楽章の死んで終わるところはもろそのままですね。2楽章もあちらは優雅なワルツ(しかし5拍子)、こちらは牧歌的でともに息抜きのような感じがします。
    > 悲愴の第1楽章
    > https://www.youtube.com/watch?v=zIJiPlbJjs8
    > 13‘30“辺りでクライマックスになりますが、その少し前から「タタタ、タタータ」というリズムが聞こえます。ひょっとしたらこれが9番1楽章のリズム動機のヒントになっているかもしれません。

    このあたり、そうだろうなと思います。
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