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Re[20]: モーツァルトのSQ<不協和音>
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□投稿者/ flora -(2020/06/29(Mon) 19:39:08)
| 田秋様、こんにちは ご丁寧なご説明、誠にありがとうございます。
>モーツァルトSQ[不協和音] >このニックネームは第1楽章の導入部分にかなり緊張した和音が用いられていることに由来します。モーツァルトが付けた副題ではありません。Floraさんが引用されたyoutubeはスコアがついているのでそれを利用して少し説明します。例えば3小節目の1拍目はVc=H、Vla=G、2ndVn=Cis、1stVn=Aです。これを並べ替えるとG―A―H―Cisとなり、いわゆる三全音(4つの音の関係が全て全音)が同時に鳴ります。これをトーンクラスターとは言わないでしょうが、ま、ドミソの和音に比べると澄んではいません。同じことが7小節目でも起こります。Vc=A、Vla=F、2ndVn=H、1stVn=Gが鳴り、並べ替えるとF−G−A−Hでやはり三全音が同時に響きます。 >別の観点から、2小節目、ビオラはその前の小節からAsを弾いていて、2拍目1stVnがAから入ります。AsとAは半音関係にあり、異なった声部で半音関係が聞こえることを、和声学の初級では禁止しています。私見では短2度ならまだしも増8度(この曲では1オクターブ+増8度)で聞こえるとさらに緊張が増します。こういう緊張は当時の作曲界においては美しくないとされていたのでしょう。 >勿論モーツァルトは和声学の初級者ではありませんからOKです。これを「名人に定跡なし」と言います。
どうもありがとうございます。 彼のような先頭を走る人間は、逆に常に新しいものを作っていくミッションがあるかも知れませんね。
>「不協和音」とは関係ありませんが、和声学では連続5度も禁止されています。やはり特異な響きになるからということなのでしょう。ところがドビュッシーは本気で何故連続5度が禁止されているのか理解できなかったそうです。彼にとって連続5度の響きは美しかったのです。前に掲げたバルトークの2番のピアノコンチェルトの2楽章の冒頭は連続5度(この曲ではさらにもう一つ5度を加えています)の大嵐です。
Knowing itselfさんが「音楽も数学的」と書かれていましたが、完全5度の音律の周波数を3:2としたのは、かのピタゴラスだと一般的には言われているようですね。和音と不協和音等を伺っていますと、まさに作曲家の無意識な数学的計算があるような感じもします。ただそれと自然に私たちに伝えるのが、作曲家の技量なのかも知れませんね。
ドビュッシーといえば『映像』の第一集「水に映る影」はメロディがないんですよね。モネの『睡蓮』を想像させるようです。
claudio arrau - debussy, reflets dans l'eau
https://www.youtube.com/watch?v=l0Hyq4Xc7Q8
それからお時間がありましたなら、ショパンのピアノソナタ第2の第4楽章、教えていただけませんか?
Frédéric Chopin - Piano Sonata No. 2, IV. Finale: Presto | Arturo B. Michelangeli
https://www.youtube.com/watch?v=OUXt2ihNFac&list=TLPQMjkwNjIwMjA0kg4F9pU87A&index=1
>floraさんが紹介された不協和音の演奏、古い時代の奏法ですね。ピリオド奏法とも言います。ピッチが半音低いので気が付きました。
そうなんですか。知りませんでした。奏法を代えることはあることなのでしょうか?
>ピットについて 夏休みコンサートでオケも舞台に乗っている理由は、私が入団したときからそうだったので深く考えていませんでしが、多分理由はこうです。バレエは夏休みコンサートのプログラムの中の一つで(メインではありますが)、仮りにバレエの時だけオケがピットに入り、そのほかは舞台で演奏となるとバレエ前後の舞台転換に大休憩が必要になるからだと思います(実質演奏会が成り立ちません)。
バレエやオペラで有名な劇場にオペラ・ガルニエがありますよね? そこにはオーケストラピットがありますよね。 メリットとしては指揮者がパフォーマンスを見れるということになると思うんですが、オーケストラの方々にとって音響効果はどうなのでしょうか?
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