| こんにちは! メビウスリング掲示板に投稿したものをコピペします。
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>カントは概念をどう捉えていたかわかりますか?<
私見ですが、人間の持つ認識(知る)機能を、《感じること》と《考えること》の二つに大別したとき、 《感じること》において思考上では区別されてないものを、《考えること》において区別するようにするファンクション(機能)そのものも含め、【概念】と考えているように、私の今の理解では思いました。
まず、前提として、 『カント事典』の【概念】のページには、
引用開始 『概念という語はカントにおいてきわめて頻繁に現れ、また多義的に使われている。』 引用終了
と冒頭にあり、4通りに区分して各説明がありまして、 1.経験的概念 2.純粋悟性概念 3.反省概念 4.特殊な意味での概念
と、このように多義的に記述されてるようですが、 私たちが一般にイメージするのは、1の経験的概念かな、と、思うので、その部分から抜粋引用してみます。
引用開始 『【T】経験的概念 (略)、素材としての多様で個別的な観念(カントでは「直観」)から どのようにして複数の事物に当てはまる概念的普遍性が生じてくるかという成立過程およびその普遍性がいかにして機能するかという点にカントの特色を見ることができる。(略)』 引用終了
カント著の『論理学』には、【概念】の生成過程は、3契機からなるとされてるそうです。『カント事典』をみると、
1.比較 ↓ 2.反省 ↓ 3.抽象
1.比較 諸表象が相互に比較されて共通的徴表が洗い出され、
2.反省 共通的徴表の確定に関して把握され、
3.抽象 諸表象間で共通していない残余の徴表が捨てられ(捨像)、 一つの概念として純化され完成する。
みたいなかんじで記述されていました。
『カント事典』前引用の続きの一部を引用します。 引用開始 『(略)さらに概念の抽象性と具体性とは 概念そのものではなく 捨像という能動的働きに基づいたその「使用(Gebrauch)」の問題だという、 概念を実体的にではなく機能的に捉えた進んだ見解をカントは表明している(略)』 引用終了
カントは、【概念を機能的に捉えた】、というのは、 区別されてないものから、区別をつける働き&その結果までをまとめて【概念】と考えていたのかな?と思いました。
ものすごく単純化すると、 センサーがキャッチした色(という意味しかない情報)を、 情報処理して、例えば【鳥】というレッテルのグループ分けをつくるような働きを、最終的にできあがった【鳥】という名称まで含めて、【概念】と言っているのかな、と、思いました。
概念の生成過程の3契機を、私なりにイメージしてみました。
1.比較 色の違いの感知を、空間的座標において隣り合う似た色での塊をつくったり、時系列においての一コマ一コマの連続という観点からの類似性を認識したりして、ひとまとまりのしての思考上の対象を措定し、
2.反省 その対象が複数の対象において共通する項目があるものをグループ化し、
3.抽象 グループ内にある個々の空を飛ぶ鳥から 共通項の【空を飛ぶ特定の生き物】以外の個々に特有の性質は捨て、 その残った項目でのグループの表題を【鳥】と名付ける
みたいな感じが、カントにとっての概念という機能なのかな、と、思いました。
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