■2730 / inTopicNo.26) |
Re[14]: 無限判断
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□投稿者/ おくったがわ -(2020/04/23(Thu) 12:31:30)
| ■No2727に返信(pipitさんの記事)
こんにちは。(先の投稿でご挨拶を忘れました。
自分も「無限判断」に興味が湧いてネットを調べていたので、引用等ありがたいです。
> ちなみに、今のところのpipit私見で間違えてるかもですが、カントのロジックとしては、 > 人間の可能な判断形式(内容に関わらない単なる形式)をすべてを網羅した判断表を完成させ、 > その判断表から純粋悟性概念を取り出し、 > 今度はその概念が無ければ判断表は成り立たないことを示し、 > 人間の知性にはこれらの純粋悟性概念が備わってるからこそ、判断の形式が成立すると説明してるのかな、と、考えています。)
カントらしい行き方ですね(って知ってるのかよ、ですが、今まで見てきた中でのなんとなくイメージで)
> 横道それましたが、無限判断に話を戻しまして。。。 > 冨田恭彦先生は、「無限」と訳すよりは「不確定」と訳す方がわかりやすいと述べてられました。 > 冨田恭彦先生の文章を引用しますね。 > > 冨田恭彦先生『カント入門講義』p175〜 > 『実はこの三つ目の「無限判断」、もともとラテン語で enuntiatio infinita とか、 propositio infinita とか言われていたもののことなんです。 > 今、propositio infinita に話を限定しますと、これ、英語にすると、 > > infinit proposition > > です。 > 「インフィニット」というのは「無限の」と訳されるので、だからカントも「無限判断」と言うのだと考えられるかもしれませんが、 > 実のところ infinita というラテン語の形容詞は、この場合には、元来、「不確定」を意味していると考えるのがいいのです。 > 「確定」(finita)に対して「不確定」です。 > ですから propositio infinita は、「不確定命題」と訳すほうがわかりやすいのです。
ありがとうございます。なるほどです。
カントの無限判断についてネットで幾つか見ていて、書き手によって解釈が違う感じがあり、カント自体の「無限判断」について決定的に合意されている解釈は無いのではないかと感じていたところ、まさに 曖昧・誤解を指摘した文章がありました。 https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/215171/1/ybunr00620.pdf 『まず、カントの無限判断にまとわりついて離れない曖昧さの解消である。曖昧さを発生させる最大の要因は、19世紀の終わりに興隆したヘルマン・コーエンによる誤解に淵源する。カントの無限判断が、たんに研究者の間だけではなく、『純粋理性批判』の数多き邦訳者においても、つねに曖昧で不確かな取り扱いが許されてきたのは、当該の歴史的誤解が正しく克服されないまま現在に至っているからである。』
ただ、論文要旨しか公表されておらず、この内容を含んでいるかもしれない著書は、『カントと無限判断の世界』\5,280 高い! 図書館は緊急事態宣言で休館だし。 しばらくはネットで(疑いを持ちつつ)色々見ていきます。pipitさんの投稿も楽しみにしています(といっても無理はなさらずに)。
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