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マーラー 5番
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□投稿者/ 田秋 -(2020/07/14(Tue) 07:41:42)
| 2020/07/14(Tue) 08:46:31 編集(投稿者)
再掲カラヤンのリハーサル https://www.youtube.com/watch?v=JSoUQUdxpo0
やはり異様にうまいですね。 2'8''辺りでカラヤンが「4小節前のビートを聞いて」というのは掲載楽譜の赤で囲った大太鼓のリズムの事です。 大爆発の導火線に火が付いた瞬間です(と思ってます、僕は)。ビオラで言うとここから3楽章の終わりまでパート譜で1ページ、何度演奏してもマーラーの狂気に呑み込まれてしまいます。そしてこの狂気の後にあのアダージェットが来るのです。
逝く瞬間の補足説明です。 すみませんねぇ、表現がこんなんで・・・ フラジオレットというのは倍音奏法(ハーモニクス)のことで掲載譜面をよく見ると音符の左に♭のようなものが見えます。もっとよく見るとこれは♭ではなく0なのです。0というのはフラジオで、という意味です。具体的にはしっかり押さえずに弦に触るるように置きます。そうすると弦長の整数分の1のところで音が出ます。丁度半分のところでオクターブ上の音が出ます。3分の1のところでオクターブ+5度上etc. このように整数倍(の逆数)関係の所では音が鳴るのですが、そうでないところはうまく音が鳴りません。グリッサンドというのはしっかりと押さえれば連続的に音高が変化しますが、ハーモニクスは以上の理由で音が出るポイント以外の所は音がかすれてしまいます。雑音と言えば雑音です。マーラーはこれをppp+トゥッティでやらせたのです。心の琴線にフェザータッチ。まさに天才という他ありません。
調性的に言うと、直前、二長調で進行しています。Ais−H−Cisと来てさあ主音のDだと思った瞬間F durに転調します。F durのDというのは第6音です。第6音が加わると和音にやさしさというか柔らか味がでます。基本三和音がプレーンヨーグルトだとするとそこへフロストシュガーをまぶした感じ(かな?)。そのDがぐーっと降りてきて第5音のCに解決、そのCが再現部の主題の最初の音Cを導き出しているという具合です。
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