| (8)〔問題(problème)とはおそらくマルセルの用語の借用であろう。マルセルは「問題」と「神秘」(mystère)とを対立させた。合理論的に解決の求められうる客観的な事象に関する問いが「問題」であり、ここでは問う主体は「意識一般」で問われる事象から分離されている。これに対して「神秘」と呼ばれるものは、「客観」ではなくて、「臨在」「現前」(presènce)であって、問うものと問われるものとは、「愛」とか「信」といった実存的紐帯によって結ばれねばならない。神の存在、自由、人生の意味、自己の身体、他者などは、みな「神秘」であって合理的な、普遍妥当性な解答にはここにはありえない。しかし、「神秘」は全く理解不可能ということではなく、むしろわれわれは直接これらの「神秘」に「参与」しているのであり、暗い「直観」をもっている。この「参与」「直観」を概念の助けによって理解せしめるのが、哲学の役目である。〕
他にもあるけど、いいよね。
こんな感じじゃないかしら。
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