| お盆の頃になると思い出す記憶がある。
5歳頃だったと思う。母方の祖父と祖母の家に親戚が集った時、年の離れた従兄弟たちと小さな清流に川遊びに行った時に見た珍しいトンボ。 羽が黒味を帯びて、胴は細く緑色に光っていて宝石のように綺麗だった。
お盆が近くなりそのトンボを思い出し、調べてみたところ、どうやらハグロトンボという種類ならしい。 シオカラトンボ、アカトンボは子どもの頃にはよく見ていたけれど、そのトンボはその時に見ただけだった。
亡くなっている祖父、祖母との思い出の記憶、トンボの記憶。 脳の神経細胞の働きによるものと説明ができてしまう記憶も、郷愁という思いと共にある時、しみじみ懐かしいものとなる。 この郷愁という思いも、脳内の電気信号の働き。 そして、脳も含めた身体がぜんぶ、最小まで分解されると素粒子なのだということも科学で語られるようになり、また、今、見ているものは、脳内で構成されそのように見えているものだということも。
こうしたことが断片的にわかってもなお、懐かしい記憶を思い出すとしみじみとする。 人は皆(たぶん)そういうふうに出来ているんだろうな。
おととい、琵琶湖の花火をテレビで初めて観た。 打ち上げられる高さは様々で、あまり高く上げられない花火も多いのだけど、次々と上がる花火の連なりが芸術のように感じられました。 夏の記憶が一つ増えました。
|