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妥当な三段論法の第一格以外の消去
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□投稿者/ おくたがわ -(2022/08/11(Thu) 17:04:53)
| 三段論法で妥当な形式とされる24種 https://information-station.xyz/7736.html
ここから、第一格以外の形式を直接推論を用いて消去します
直接推論とは一個の前提から結論を導く推論。 今回は対偶を使います。 「AならばB」の対偶は「BでなければAではない」 両者は「一方が真なら他方も必ず真」という関係にあるので、 一方を前提に他方を導けば「直接推論(直接推理)」と考えられます。
(75) 第二格AEE式 大前提:すべての鳥類は有翼である。=真 小前提:すべての人間は有翼ではない。=真 結論:ゆえに、すべての人間は鳥類ではない。=真
大概念P--鳥類 小概念S--人間 中概念M--有翼
第二格は 大前提P−M、小前提S−M、結論S−Pの形
これを第一格 大前提M−P、小前提S−M、結論S−P に変える
小前提「すべての人間は有翼ではない」の対偶を取り「すべての有翼なものは人間ではない」に置き換える 結論「すべての人間は鳥類ではない。」の対偶を取り「すべての鳥類は人間ではない。」に置き換える
このとき結論の主語述語が入れ替わっているので、大前提と小前提が入れ替わります (結論の述語を含むのが大前提、結論の主語を含むのが小前提という定義より)
大前提:すべての有翼なものは人間ではない=真 小前提:すべての鳥類は有翼である。=真 結論:ゆえに、すべての鳥類は人間ではない。=真
めでたく「第一格:大前提M−P、小前提S−M、結論S−P」の形に変わりました。 これは、全称否定 全称肯定 全称否定 なので 第一格EAE式となります。
リンク先の例文では (35) 第一格EAE式 大前提:すべての哺乳類は鳥類ではない。=真 小前提:すべての人間は哺乳類である。=真 結論:ゆえに、すべての人間は鳥類ではない。=真
となっています。論証の形式は同形です。
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カントはたぶん、同じ考え方で二格〜四格が不要としているのではないかなぁと推測します。
ただしカントは純理の注釈で 「純粋な三段論法の前提に直接的推論を密かに導入することによって、最初の格にある推論よりも多くの推論を導き出す様式があるように見せる〜」 というように書いているので、 私とは逆に、一格を変形して他の格を導く手順で書いているかもしれません。 もしその場合でも、方向が逆なだけで、やっていることと結論は同じです。
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