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■20286 / inTopicNo.25)  二重作動
  
□投稿者/ pipit -(2022/01/05(Wed) 10:20:47)
    2022/01/05(Wed) 11:36:01 編集(投稿者)
    2022/01/05(Wed) 10:26:46 編集(投稿者)
    2022/01/05(Wed) 10:25:38 編集(投稿者)

    ある行為を決めたのはオーナーかもしれないけど、その連鎖で、また別の(位相の)システムの形が変わる。
    二重作動というタームが思い浮かびます。

    山下和也先生の論文から引用すると、

    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/24254/1/Yamashita.pdf
    >構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。河本氏はこれを「二重作動」と呼ぶix。<

    二重作動を
    No20281のpipitの解釈で言えば、

    >旅館業システムで言えば、
    旅館業務が回転していくことと、一個一個の作業(例えば、客に提供するために料理を作る。料理という構成素を産出している行為。)そのものとは異質の過程でありながら同時進行、ということだと思いました。<

    です。もちろん勉強するうちに解釈が変わっていくと思ってます。
引用返信/返信 削除キー/
■20285 / inTopicNo.26)  マジモンさんへ
□投稿者/ pipit -(2022/01/05(Wed) 10:07:48)
    2022/01/05(Wed) 10:08:38 編集(投稿者)

    マジモンさん、おはようーございます!(^_^)
    今年が良い年になりますように☆

    No20283に返信(マジカルモンキーさんの記事)
    > ■No20282に返信(pipitさんの記事)
    >>頭痛くなったよ。
    >>
    >>マジモンさんも考えすぎると頭痛するって言ってたなー
    >>
    >>(-_-;)
    >
    >
    > はい、おはようございます、Pipitさん
    > 頭痛がするという事は頭をかなり使ったという事かもしれません。
    > Pipitさんには本当の事を書きます。
    > Pipitさんはオートポイエーシスを現在考えてらっしゃいますが、
    > おそらく当時のマジモンは、その量の10倍は考えていたかもしれません。<

    んー、もしかしたら1000倍以上考えてたかもしれませんね


    > その後、爆弾偏頭痛におそわれます。
    > プロの『 将棋指し 』の方も同じ症状があると思いますね。
    >
    > さて、話は戻し、お聞きしたいのですが
    >
    >
    > オートポイエーシスシステムについてPipitさんが今思考していますが、
    > これは、全体像を捉えてようとしているのでしょうか?
    >
    > もし仮に全体像を捉えようと【旅館】に例えているのなら、
    > 仮に、その旅館に泥棒が侵入したらどうでしょうか?<

    免疫システム発動?

    オートポイエーシス論の術語(タームというのかな?)で言えば、『攪乱』が起き、旅館システムは旅館システム自体で対応を決めると思います。

    いろいろですよね。

    気づかない。
    気づく。
    泥棒にご飯をあげて、悪いことをやめるように説得する。
    警察に通報する。
    棒で叩く。

    さまざまなな生産プロセスをその旅館システム自体が自己決定し、その結果、目に見える構造も変化する。

    そのようなことをイメージしました。

    マジモンさん、書き込みありがとうです!

    あー、頭使うの合ってないのかと自分で思うわー(T ^ T)

    でもカントの『純粋理性批判』は理解したいです!

引用返信/返信 削除キー/
■20283 / inTopicNo.27)  Pipitさんへ
□投稿者/ マジカルモンキー -(2022/01/05(Wed) 08:57:25)
    No20282に返信(pipitさんの記事)
    > 頭痛くなったよ。
    >
    > マジモンさんも考えすぎると頭痛するって言ってたなー
    >
    > (-_-;)


    はい、おはようございます、Pipitさん
    頭痛がするという事は頭をかなり使ったという事かもしれません。
    Pipitさんには本当の事を書きます。
    Pipitさんはオートポイエーシスを現在考えてらっしゃいますが、
    おそらく当時のマジモンは、その量の10倍は考えていたかもしれません。

    その後、爆弾偏頭痛におそわれます。
    プロの『 将棋指し 』の方も同じ症状があると思いますね。

    さて、話は戻し、お聞きしたいのですが


    オートポイエーシスシステムについてPipitさんが今思考していますが、
    これは、全体像を捉えてようとしているのでしょうか?

    もし仮に全体像を捉えようと【旅館】に例えているのなら、
    仮に、その旅館に泥棒が侵入したらどうでしょうか?
引用返信/返信 削除キー/
■20282 / inTopicNo.28)  Re[27]: 宿題の旅館!の日記
□投稿者/ pipit -(2022/01/04(Tue) 23:03:37)
    頭痛くなったよ。

    マジモンさんも考えすぎると頭痛するって言ってたなー

    (-_-;)
引用返信/返信 削除キー/
■20281 / inTopicNo.29)  宿題の旅館!
□投稿者/ pipit -(2022/01/04(Tue) 22:39:48)
    2022/01/04(Tue) 23:55:34 編集(投稿者)
    2022/01/04(Tue) 22:51:02 編集(投稿者)

    前にpipitは、オートポイエーシスシステムを【旅館】を例に語れるかなぁと書いてたのですが、少し勉強した結果、
    オートポイエーシスシステム構想の出自は、やはり細胞のような生命システムが基本だと思うし、

    No20257
    >ヴァレラはオートポイエーシスを生物以外に拡張することに反対しているが、<

    ということもあるし、で、
    きちんと対応させることはできないかも、と、思いました。

    ですが、擬人化という方法があるように、
    小学生pipitレベルで、旅館という働きとオートポイエーシスシステムで使われる概念の今の段階のpipit理解とを対応させてみようかと思います。

    ===========

    さて、旅館つくるぞー、と言った時、建物立ててそれだけで【旅館業という働き】が生まれてると思いますか?

    やっぱり泊まってくれるお客さんや、他のいろんな要素が揃って、【旅館業という働き】が転がり出すと思いませんか?

    【お客さんが来館して、温泉入ってもらって、ご飯提供して、泊まってもらって、お金もらって、出て行ってもらって部屋が空いてるところに、またお客さんが来館して、】の繰り返しが、旅館業という働きの簡易版とpipitは考えました。

    この時、部屋に泊まる→部屋を出て行く→部屋に泊まる→部屋を出て行く
    (連泊でも、一回のサイクルを繰り返してる)と考えると、
    働きが閉鎖されてますよね。

    この働きのサイクルを、オートポイエーシスシステムで考えることできるんじゃないかな、と、pipitは考えていたのです。

    次に、今まで投稿した、オートポイエーシスシステムの定義の部分を見直してみますね。

    ==========

    No19305
    >山下和也先生『カントとオートポイエーシス』p5より、山下先生による定義

    ★「オートポイエーシス・システムとは、
    産出物が次の産出プロセスを作動させるという仕方で連鎖する産出プロセス群が作るネットワークの、
    循環的に作動して閉鎖した自己完結的閉域である。
    閉域形成に参与する産出物をシステムの構成素と呼ぶ」<

    ===========

    ★に出てくる
    「産出プロセス」は、旅館業という働きから見たら、例えば、ある人間を客という「構成素」に加工することと言えるのではないかとpipitは思いました。

    産み出された「構成素」は、次の産出プロセス、例えば、客が料理を食べる、などの行為を縁起させていきます。
    サービスを受けることに縁起して代金の支払いも生じますね。

    また別の投稿から山下先生の文章を再掲します。

    =========
    (山下和也先生の論述)
    No20257
    >ある化学反応によって物質が産出され、この物質が何らかの化学反応を継続させ、 産出された物質がさらに化学反応を継続させて、これが連続していくとするならば、 化学反応の連鎖がシステム、産出されていく物質が構成素、外から観察可能な産出さ れた物質の塊がシステムの構造になる。物質の産出を伴って反応の連鎖が続く限り、 産出された物質に基づいて、この連鎖は存在しつづけている。<

    ========

    上記引用と旅館業の働きを対応させてみると、

    【お客さんが来館して、温泉入ってもらって、ご飯提供して、泊まってもらって、お金もらって、出て行ってもらって部屋が空いてるところに、またお客さんが来館して、】の繰り返しとして、旅館業務が連鎖していくのが、『システム』。

    >ある化学反応によって物質が産出され、この物質が何らかの化学反応を継続させ、 産出された物質がさらに化学反応を継続させて、これが連続していくとするならば、 化学反応の連鎖がシステム<

    産出されていく、客や従業員、物質的な料理やお風呂や建物その他諸々が『構成素』。

    > 産出されていく物質が構成素、<

    外から観察可能な産出さ れた物質の塊が旅館システムの『構造』。

    > 外から観察可能な産出さ れた物質の塊がシステムの構造になる。<

    となるかな、と。

    それから、オートポイエーシスシステムには、二重作動という概念があって、山下和也先生の論文から引用すると、

    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/24254/1/Yamashita.pdf
    >構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。河本氏はこれを「二重作動」と呼ぶix。ここで 重要なことは、産出される構成素はシステムの部分でも要素でもないということであ る。システムは構成素を産出する働きのネットワークであり、いわゆる実体ではなく、 産出された構成素およびそれによって実現している構造とは位相を異にする。<

    なのですが、

    > 構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。<

    というのは、旅館業システムで言えば、
    旅館業務が回転していくことと、一個一個の作業(例えば、客に提供するために料理を作る。料理という構成素を産出している行為。)そのものとは異質の過程でありながら同時進行、ということだと思いました。

    >ここで 重要なことは、産出される構成素はシステムの部分でも要素でもないということであ る。システムは構成素を産出する働きのネットワークであり、いわゆる実体ではなく、 産出された構成素およびそれによって実現している構造とは位相を異にする<

    というのは、例えば温泉施設や料理などの物質的なものは、システムの部分でも要素でもない、ということですね。
    ここらへんの考え方は、『環境』などの概念にも関わり、かなり独特な分別をしているように感じています。

    ちなみに、オートポイエーシス論とは、ある行為が全く異質の働きを生むことがある。そういうことも視野に入るシステム論だとpipitは思っています。

    =======

    ちなみに、オーナーが亡くなっても、おかみさんが亡くなっても、旅館業システムは人間を入れ替え、転がり続けることが可能ですよね。

    産出プロセスに環境(自分以外)を巻き込む、って感じでしょうか?

    ========

    以上、小学生レベルの考察をしてみました。
    概念が少しでもわかりやすく整理されればいいな、と、恥ずかしながらも書いてみました。

    『カントとオートポイエーシス』の読解続けたいと思ってます!
    o(・x・)/
引用返信/返信 削除キー/
■20261 / inTopicNo.30)  Re[25]: 悪魔ちゃんへ
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2022/01/03(Mon) 18:56:12)
    >やっぱり『カントとオートポイエーシス』という本に書いてあることは理解したいのです<
    了解でーす。

    バイバイ
引用返信/返信 削除キー/
■20258 / inTopicNo.31)  悪魔ちゃんへ
□投稿者/ pipit -(2022/01/03(Mon) 18:14:35)
    No20256に返信(悪魔ちゃんさんの記事)
    > お邪魔しま〜す
    >
    > pipitさま、「純粋理性批判を読んでみる」はどこいっちゃたのかしら?
    >
    > カントは「オートポイエーシス」について、なんか語ってるの?

    悪魔ちゃん、あけましておめでとうー
    今年もよろしくお願いします!

    コメントありがとう (#^.^#)

    そうやよねぇ

    ムキー(難)となるんやけど、でも、『純粋理性批判』読解の大きなヒントにもなる予感してるんやけど、でもきちんと理解してない段階での予感やから、わからんけど、

    やっぱり『カントとオートポイエーシス』という本に書いてあることは理解したいのです
    ( ; ; )

    疲れた。。。
    家事してくるよ。。。
    _| ̄|○


引用返信/返信 削除キー/
■20257 / inTopicNo.32)  また別の意味での自己言及的
□投稿者/ pipit -(2022/01/03(Mon) 18:06:18)
    No20255
    > 「これはルーマンが、オートポイエーシス・システムを自己言及的と呼ぶのとはまったく異なる。」
    と注意書きをしておられます。<

    では、ルーマンさんの自己言及的という単語はどのような文脈で使われてるのか?を、山下先生が論文で記述されていたので抜粋引用します。
    ピンポイントで抜き出すと、

    >オートポイエ ーシス・システムは作動することによってみずからを形成しつつ存在するのである。 ルーマンによれば、「その限り、オートポイエーシスとはシステムのそれ自身による 産出である」v。構成素の産出システムと構成素の関係は私が私を産出するという仕方 で自己言及的になっている。<

    の箇所になると思います。
    ルーマンさんの場合、構成素や構造としての自分を作るシステムという意味で自己言及的という言葉を使われたのかな?と思いました。(違うかもだけど)
    ここらへん、二重作動、などの概念も絡んできそうな箇所だと思っています。
    先に投稿した、山下先生の場合の自己言及は、
    自己の作動の構成素への攪乱を契機とする、別の作動の単体の発生を描かれているものの、それを構造的カップリングとして描くことで、もう一つまた別の?大きな?オートポイエーシスシステムとしての単体を描かれるような予感をしています。

    pipitの書いてる文章、ややこしいよねー 、 伝わらないよねー(多分) 
     (´;ω;`)

    それはさておき、山下先生の論文の抜粋引用をします。


    https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/24254/1/Yamashita.pdf

    『システム論的自我論-カントとオートポイエーシス-』
    山下和也先生の論文です。

    (2003年の論文なので、現在の山下先生の考え方と異なってる可能性もありますが、今まで見てきた基本概念の復習にもなると思うので、抜粋引用させていただきます。)

    抜粋引用開始
    『ある化学反応によって物質が産出され、この物質が何らかの化学反応を継続させ、 産出された物質がさらに化学反応を継続させて、これが連続していくとするならば、 化学反応の連鎖がシステム、産出されていく物質が構成素、外から観察可能な産出さ れた物質の塊がシステムの構造になる。物質の産出を伴って反応の連鎖が続く限り、 産出された物質に基づいて、この連鎖は存在しつづけている。つまり、オートポイエ ーシス・システムは作動することによってみずからを形成しつつ存在するのである。 ルーマンによれば、「その限り、オートポイエーシスとはシステムのそれ自身による 産出である」v。構成素の産出システムと構成素の関係は私が私を産出するという仕方 で自己言及的になっている。また、構成素の産出はシステムの作動のみに依存し、こ れをオートポイエーシス・システムの自律という。
    ただし、システムは、ハンス・ルディ・フィッシャーが言うような、まるで無から 有を生むような自己原因による自己創造をやっているわけではないvi。構成素の産出と はすでに存在している何かを変形加工して構成素にするということに過ぎず、オート ポイエーシス・システムがまったく外物から独立だというのは誤解である。先の化学 反応の例で言えば、反応に先立って何らかの化学物質がなければ反応は生じないし、 物質も産出されない。さらに言えば、システムは自己言及の論理的パラドックスとも まったく無縁である。最初の自己の発生はその自己の働きによるものではないからで あるvii。オートポイエーシスの本質は自己の発生プロセスと発生した自己の再産出プ ロセスにある。
    定義にあるように、産出プロセスは互いに継続していれば、複雑なネットワークで もいい。つまり、さまざまな構成素の産出過程の複合が一つのオートポイエーシス・ システムを構成していることもある。また、構成素が物理的実体である必要もない。 ルーマンはコミュニケーションを構成素とする社会システムを論じているviii。ヴァレラはオートポイエーシスを生物以外に拡張することに反対しているが、この理論の強 みは構成素の定義の柔軟性にあり、構成素になりうるものの範囲の広さが、その広範 な応用の可能性を保証している。
    構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。河本氏はこれを「二重作動」と呼ぶix。ここで 重要なことは、産出される構成素はシステムの部分でも要素でもないということであ る。システムは構成素を産出する働きのネットワークであり、いわゆる実体ではなく、 産出された構成素およびそれによって実現している構造とは位相を異にする。オート ポイエーシス・システムが単位体であるとは、システムが部分を持たず、それ以上分 析不可能であることを意味する。ネットワーク的作動は部分に解体しようとすると消 失してしまうのである。
    二重作動し続けるシステムがオートポイエーシス・システムと呼ばれるにはもう一 つ条件がある。それは産出プロセスの連鎖がどこかでそれまでの産出プロセスの一つ に回帰し、循環的に反復し続けることである。この際、まったく同じプロセスが反復 し続ける必要はない。』
    抜粋引用終了


引用返信/返信 削除キー/
■20256 / inTopicNo.33)  Re[23]: 自己言及という概念
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2022/01/03(Mon) 17:59:16)
    お邪魔しま〜す

    pipitさま、「純粋理性批判を読んでみる」はどこいっちゃたのかしら?

    カントは「オートポイエーシス」について、なんか語ってるの?
引用返信/返信 削除キー/
■20255 / inTopicNo.34)  自己言及という概念
□投稿者/ pipit -(2022/01/03(Mon) 17:32:13)

    『言及システム』

    山下先生はこの概念について、
    『基本概念の最後は、「言及システム」である。この概念はマトゥラーナにもヴァレラにもルーマンにも河本にもない。ただし、本書の論述には決定的に重要になるので、ここで詳論しておく。」
    とあり、また、以下@【 】の定義文の脚注で、
    「これはルーマンが、オートポイエーシス・システムを自己言及的と呼ぶのとはまったく異なる。」
    と注意書きをしておられます。

    『カントとオートポイエーシス』晃洋書房、山下和也先生著、
    p12、13で「言及システム」について、用語としては三つに分けて説明されます。

    @オートポイエーシス・システムの自己言及
    A一階言及システム
    B二階言及システム

    山下先生の定義を【 】で囲んで、引用します。

    @オートポイエーシス・システムの自己言及
    【システム全体の作動が一部の構成素に攪乱として反映することと定義する】
    つまり自分の作動により自分の構成素に攪乱が起き、



    【このとき、自己言及によって特定の構成素に生じた攪乱それ自体をコードとして、まったく別の産出プロセス群が起動し、それがネットワーク状連鎖を生じた上に循環的に閉鎖して閉域を形成したとすると、元のシステムとは異なる、まったく新しいオートポイエーシス・システムが実現することになる。】




    A一階言及システム

    @を契機に生じた【この新しいシステムを元のシステムの「一階言及システム」と名付けている。このシステムは言うならば、元のシステムの構造のシステム自身への現れを産出するシステムとなる。しかも、相互浸透によってシステムとその環境、すなわちシステムの自己と他者は表裏一体であるため、自己言及はまた他者言及でもある。ところが一階言及システムは、その構成素における現れにおいて、自分の構造の現れを構造の外部の現れから区別してしまう。その上、一階言及システムには元のシステムの構造の現れが自分自身に、構造の外部の現れは自分の外部に見える。実際には、元のシステムとその一階言及システムは別物であるし、元のシステムの構造の現れも元のシステムの構造そのものではないであるが。】


    B二階言及システム
    【また、一階言及システム自身がさらにその一階言及システムをもつことができ、こちらは元のシステムの二階言及システムということになる。】

    =========

    以上で基本概念を説明された箇所の読書を終わります。山下先生は、とりあえず最小限というかんじで大まかに説明されて、後の各々の論述で必要に応じて細かく説明されるようです。


引用返信/返信 削除キー/
■20254 / inTopicNo.35)  Re[21]: 概念名の説明
□投稿者/ pipit -(2022/01/03(Mon) 15:26:31)
    No20252の続き
    基本概念
    オートポイエーシス・システムに共通な四つの性質
    p11より引用。

    @個体性
    【操作的閉鎖によって実現するこのシステムが、それによってそれ自身以外のすべてのものから区別されており、原理的に唯一無二であることを言う。同種・同形のシステムは複数存在したとしても、ある特定のシステムと同一であるシステムは原理的に存在しようがない。しかもオートポイエーシス・システムは実現から消失まで、いかなる変化を経験しようと同じ個体であり続ける。】

    A単位性
    【ネットワークの閉域であるこのシステムが部分に分解できないことである。ネットワーク全体が閉じて初めて一つとなるので、部分が集まって全体となるというあり方をしていない。】

    B自律性
    【閉鎖しているシステムが環境から攪乱しか受けず、その作動を内部的にのみ決定することである。】

    C入力・出力の不在
    【作動の閉域であるオートポイエーシス・システムを出入りするものは存在しないということである。(略)システムとその構造が区別されることを思い出してほしい。システムの作動に巻き込まれて構造を形成する環境は、しかし、産出プロセスという作動から成るネットワークに入り込んではいない。作動とは存在する位相が異なるからである。】
引用返信/返信 削除キー/
■20252 / inTopicNo.36)  概念名の説明
□投稿者/ pipit -(2022/01/03(Mon) 14:02:32)
    『カントとオートポイエーシス』山下和也先生の本p8-10から引用したものを【 】で囲みます。 

    No20249
    > @コード
    【産出される構成素のタイプと順序を決める規則】
    ※注意点(p8参照)
    何が構成素となるかが決まるのがシステム実現時なので、コードはシステムの設計図ではない。システムの実現とコードの創発は同時。
    コードもシステムと同じく非空間的ネットワーク状となる。
    一つの産出プロセスはコードの一項によって規定される。

    > A構造的ドリフト
    【コードの書き換えを伴うシステムの変化】=
    【作動を通じてシステムが自らのコードを書き換えると、システムのネットワークと構造の形状が変化する。】
    (例)【細胞のガン化】

    > B構造変動
    【コードの書き換えを伴わないシステムの変化】

    【システムのネットワーク形状が不変のまま構成素の変化によって起きるもの】
    (例)【細胞システムにおいての、成長に伴う細胞の拡大】


    > Cメタモルフォーゼ
    【時間的推移によってコードの読み取りが変化し、ネットワーク形状自体を変えるもの】
    (例)【幹細胞から特定の内臓細胞への変化】

    =======
    ABCから、、、
    オートポイエーシスシステムは数学的にモデル化することはできない。コード書き換えの可能性などがあり、また山下和也先生曰く
    【オートポイエーシスは、カンタン・メイヤースの唱える「非理由律」(メイヤース:一〇五)の支配する領域である。】(『カントとオートポイエーシス』p7より引用。
    とのことです。
    つまり、どう書き換えられるか、や、オートポイエーシスの生成や消失は
    【河本の言うごとく「別段正当な根拠は必要ない」(河本 一九九五:一九四)】同本p7

    ここらへんも、@で言及される、コードは設計図ではない、とも関わりますね。

    常に現実を対象にみる感じかな。

    ============

    > D環境
    【システムに属さないものとして切り捨てられた一切のもの】
    (例)【細胞システムで言うなら、細胞を形成している全ての分子、周囲の空気、重力など、細胞システム自身でないすべてが、その環境である。】
    ※注意点(p9参照)
    構造の空間的外部のことを環境と言ってるのではなく、上記の例でも述べられるように、物質的に細胞を形成している分子も環境側に分別されていることに注意です。

    > E相互浸透
    【システムは自分の環境の一部を自分の作動に巻き込み、自分の構成素に加工することによって存続しており、したがって、システムの構造もシステムの環境の一部からできている。このようなシステム・環境間の関係】

    > F攪乱
    【相互浸透を介して環境がシステムに、システムが環境に引き起こす変化】
    ※注意点
    【相互浸透による相互影響に攪乱に対する決定性がない】【相互影響は攪乱を引き起こすきっかけにしかならない】
    【自分に生じる攪乱それ自体がどうなるかは、システムと環境がそれぞれ単独で決める。それどころか攪乱が生じるかどうかすらも。これはシステムの閉鎖の結果として、環境からのあらゆる影響もシステム内部的に処理されてしまうためである。細胞システムを例にとれば、被曝によるガン化が攪乱である。同程度被曝したからと言って必ずガンになるとは限らない。】

    > G構造的カップリング
    【複数のオートポイエーシス・システム同士が互いを環境として相互に攪乱を与え合っているとき、この関係を「構造的カップリング」と言う。攪乱であるから当然、システム間の影響関係に決定性はない】
    【攪乱は影響に対する反応ではない。カップリングしている相手のシステムの作動を自分の作動に織り込んでいるだけである。】


    > Hカップリング・システム
    【構造的カップリングしている全体が別の産出プロセスを生じ、別の構成素を決めて、まったく別のオートポイエーシス・システムが実現することがある。従来この現象には名前がなかったが、ここで新しいシステムを「カップリング・システム」と名付けておこう。】
    【複数の細胞システムの構造的カップリングから多細胞生命体が生まれるとき、生体器官を構成素、身体を構造として実現する生命システムは、カップリング・システムになっている。カップリング・システムと元の複数のシステムの関係は構造的カップリングである。】

引用返信/返信 削除キー/

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