□投稿者/ pipit -(2022/01/04(Tue) 22:39:48)
| 2022/01/04(Tue) 23:55:34 編集(投稿者) 2022/01/04(Tue) 22:51:02 編集(投稿者)
前にpipitは、オートポイエーシスシステムを【旅館】を例に語れるかなぁと書いてたのですが、少し勉強した結果、 オートポイエーシスシステム構想の出自は、やはり細胞のような生命システムが基本だと思うし、
No20257で >ヴァレラはオートポイエーシスを生物以外に拡張することに反対しているが、<
ということもあるし、で、 きちんと対応させることはできないかも、と、思いました。
ですが、擬人化という方法があるように、 小学生pipitレベルで、旅館という働きとオートポイエーシスシステムで使われる概念の今の段階のpipit理解とを対応させてみようかと思います。
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さて、旅館つくるぞー、と言った時、建物立ててそれだけで【旅館業という働き】が生まれてると思いますか?
やっぱり泊まってくれるお客さんや、他のいろんな要素が揃って、【旅館業という働き】が転がり出すと思いませんか?
【お客さんが来館して、温泉入ってもらって、ご飯提供して、泊まってもらって、お金もらって、出て行ってもらって部屋が空いてるところに、またお客さんが来館して、】の繰り返しが、旅館業という働きの簡易版とpipitは考えました。
この時、部屋に泊まる→部屋を出て行く→部屋に泊まる→部屋を出て行く (連泊でも、一回のサイクルを繰り返してる)と考えると、 働きが閉鎖されてますよね。
この働きのサイクルを、オートポイエーシスシステムで考えることできるんじゃないかな、と、pipitは考えていたのです。
次に、今まで投稿した、オートポイエーシスシステムの定義の部分を見直してみますね。
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No19305 >山下和也先生『カントとオートポイエーシス』p5より、山下先生による定義
★「オートポイエーシス・システムとは、 産出物が次の産出プロセスを作動させるという仕方で連鎖する産出プロセス群が作るネットワークの、 循環的に作動して閉鎖した自己完結的閉域である。 閉域形成に参与する産出物をシステムの構成素と呼ぶ」<
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★に出てくる 「産出プロセス」は、旅館業という働きから見たら、例えば、ある人間を客という「構成素」に加工することと言えるのではないかとpipitは思いました。
産み出された「構成素」は、次の産出プロセス、例えば、客が料理を食べる、などの行為を縁起させていきます。 サービスを受けることに縁起して代金の支払いも生じますね。
また別の投稿から山下先生の文章を再掲します。
========= (山下和也先生の論述) No20257 >ある化学反応によって物質が産出され、この物質が何らかの化学反応を継続させ、 産出された物質がさらに化学反応を継続させて、これが連続していくとするならば、 化学反応の連鎖がシステム、産出されていく物質が構成素、外から観察可能な産出さ れた物質の塊がシステムの構造になる。物質の産出を伴って反応の連鎖が続く限り、 産出された物質に基づいて、この連鎖は存在しつづけている。<
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上記引用と旅館業の働きを対応させてみると、
【お客さんが来館して、温泉入ってもらって、ご飯提供して、泊まってもらって、お金もらって、出て行ってもらって部屋が空いてるところに、またお客さんが来館して、】の繰り返しとして、旅館業務が連鎖していくのが、『システム』。 ↑ >ある化学反応によって物質が産出され、この物質が何らかの化学反応を継続させ、 産出された物質がさらに化学反応を継続させて、これが連続していくとするならば、 化学反応の連鎖がシステム<
産出されていく、客や従業員、物質的な料理やお風呂や建物その他諸々が『構成素』。 ↑ > 産出されていく物質が構成素、<
外から観察可能な産出さ れた物質の塊が旅館システムの『構造』。 ↑ > 外から観察可能な産出さ れた物質の塊がシステムの構造になる。<
となるかな、と。
それから、オートポイエーシスシステムには、二重作動という概念があって、山下和也先生の論文から引用すると、
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/24254/1/Yamashita.pdf >構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。河本氏はこれを「二重作動」と呼ぶix。ここで 重要なことは、産出される構成素はシステムの部分でも要素でもないということであ る。システムは構成素を産出する働きのネットワークであり、いわゆる実体ではなく、 産出された構成素およびそれによって実現している構造とは位相を異にする。<
なのですが、
> 構成素の産出プロセスの継続とこの構成素の産出そのものとは互いにまったく異質 の過程であるが、同時に進行している。<
というのは、旅館業システムで言えば、 旅館業務が回転していくことと、一個一個の作業(例えば、客に提供するために料理を作る。料理という構成素を産出している行為。)そのものとは異質の過程でありながら同時進行、ということだと思いました。
>ここで 重要なことは、産出される構成素はシステムの部分でも要素でもないということであ る。システムは構成素を産出する働きのネットワークであり、いわゆる実体ではなく、 産出された構成素およびそれによって実現している構造とは位相を異にする<
というのは、例えば温泉施設や料理などの物質的なものは、システムの部分でも要素でもない、ということですね。 ここらへんの考え方は、『環境』などの概念にも関わり、かなり独特な分別をしているように感じています。
ちなみに、オートポイエーシス論とは、ある行為が全く異質の働きを生むことがある。そういうことも視野に入るシステム論だとpipitは思っています。
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ちなみに、オーナーが亡くなっても、おかみさんが亡くなっても、旅館業システムは人間を入れ替え、転がり続けることが可能ですよね。
産出プロセスに環境(自分以外)を巻き込む、って感じでしょうか?
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以上、小学生レベルの考察をしてみました。 概念が少しでもわかりやすく整理されればいいな、と、恥ずかしながらも書いてみました。
『カントとオートポイエーシス』の読解続けたいと思ってます! o(・x・)/
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