| NHKブックス100分de名著『カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学』 萱野稔人 著 を読んでいます。 その第2章を今回もまとめさせていただきます。
前回。 >>人間の本性は戦争に向かいやすい傾向性を宿しているので、平和実現のためには、戦争が起こりにくくなる社会の仕組みづくりが必要となる。 >>カントの本著でも第2章で「国家間における永遠平和のための確定条項」として3つの条項を提示していて、これらは本著の主要部分となる考察だそうです。
として、その一つ目
※第一確定条項 どの国の市民的な体制も、共和的なものであること を見ました。
今日は、 ※第二確定条項 国際法は、自由な国家の連合に基礎をおくべきこと です。
カントが『永遠平和のために』を書く直接の動機になったものに、1795年にフランス革命政府とプロイセンとの間で交わされた「バーゼル平和条約」の不備への批判があると萱野さんの同書にあります。 この平和条約は、一時的な講和に過ぎず、両国の間での将来の戦争を防止するようなものではなかった、それへの不信感によりカントの発表にむかわせた、とあります。 (p24〜p25)
この条約は現代の国際法に当たるものなのかな、と想像しています。
そもそも、国際法とは?について少し調べました。 国際法とは、国と国との関係を維持するための法律。 (各)国より大きな(上位の)権力を持つものは存在しないので遵守しなくても明確な罰則はない。 ここは、罰則規定のある国内法との違いである。 ただし、違反すれば各国からの批判や経済制裁を受ける。
・・・・・ つまりここで問われているのは、永遠平和を実現するためにはどのような内容の国際法が必要なのかではなく、どのような国際関係が国際法の基礎として永遠平和を実現するのに適しているのかなのです。 ・・・・・同書p65より引用
立派な国際法があっても、強制力がない以上、従わない国が出てくる。 なので、国際法を実行的なものとするためにどのような国際関係が必要か、というのをカントは考えたようです。
そこで出てくる、諸国家の上にさらに国家、世界単一国家を作ればいいという考えをカントは批判したそうです。 普通に考えて、そもそもそんなうまいこといくわけないでしょ、カント先生に言われなくても・・、と思うところではありますが、その理由についてもカントは明確にしています。
次回に続きます。
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