| [18] 老若の女どもについて
興味がわくというかおもしろいと感じる文章を抜粋します。
・・・・・ 14 もろもろの、あまりにも甘すぎる果実─戦士はそれを好まない。 それゆえ、戦士は女を好む。最も甘い女でさえも苦いのだ。 ・・・・・『ツァラトゥストラ』上 ちくま学芸文庫 p119より引用
「あまりにも甘すぎる果実」について、訳注を見ると、第二部6「賤民について」参照とあり。 そこには、 ・・・・・ 6 彼らの手にかかると、果実は甘ったるくなり、熟れすぎる。 彼らのまなざしを受けると、果樹は風に折れやすくなり、その梢は枯れる。 ・・・・・同書 172より引用
甘すぎる果実を好まず、戦士は苦くても女性を好む、ということ。 戦士というのは、勇敢な男性の喩えなのだろう。
・・・・・ 22 女が憎むとき、男は女を恐れよ。というのは、男は魂の底においてただ悪で あるだけだが、女は魂の底において低劣であるからだ。 ・・・・・同書p120より引用
訳注p388によれば。 男は強くて自由なもの、支配者的人間として価値評価する(悪 ─ 尊大、軽蔑) 女は奴隷道徳の本能を持つ(低劣 ─ 憎しみ、ルサンチマン) とある。
とりあえず、ニーチェはこのように、男女の性向の違いを分けて考えていた、ということなのだろうか。 実際には、男女の違いによるものというよりは、個人差だとは思うけど。 ニーチェの時代のそれによる制約というのと共に、ニーチェの個性としてこのような考え方を身につけていたのだろうか。
次回から、次の章に行きます。「毒ヘビのかみ傷について」。
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