| 2023/11/21(Tue) 14:07:44 編集(投稿者)
下図一番左は《正》の甲骨文字、続いて金文、篆書の《正》です。
金文とか篆書を簡単に説明すると、時代的に一番古いのが甲骨文字で大体紀元前千数百年前、王朝としては商(殷)です。金文と言うのは青銅器に鋳込まれた、或いは刻まれた文字で、時代としては商から漢代までありますが、期間が長いため変遷が甚だしくあり、文字の進展を大きくとらえる場合は春秋の終わりくらいまでの文字を指すと考えれば良いと思います。その後戦国時代になると篆書が盛んになります。始皇帝が行った文字の統一は篆書の中でも小篆という文字種でなされました。
甲骨文字の《正》の上部の四角は城壁で囲まれた都邑を表し、下半分は足を表しています。全体で都邑に攻め込む状態を示しています。そしてそれは攻め込んで勝利したことを表し、それが正の元々の意味、つまり「勝者が正しい」ということになります。
左から4番目は《征》の甲骨文字です。《征》の初文(初出)は《正》で、後にギョウニンベンが付きました。右から2番目は《政》の金文です。偏の正は征服された人たち、旁の攵は棒か何かを手で持っている形で、征服した人たちを棒で叩いて強制的に服従させている様子を表しています。具体的には賦税を徴収することです。
以上、白川文字学です。
===田秋私見=== 《征》に後でギョウニンベンが付いたのは、征服しに〔行く〕というニュアンスを出すためでは?と想像しています。
独裁政治やワンマン社長が無くならないのは、原初的な正しさを人間は本能的に持っていてるのではないかと思います。それではいけないと歴史から学び、普通は理性で抑えているのですが。。。
日本の歴代の総理大臣、きっとこういうことは勉強しているでしょうから、国民から税金を強制的に徴収することが政治の本来の姿なのだ!と思ってる???
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