| おはようございます、floraさん
このツアーは前回と比べるとタイトになっています。バブルがはじけ、企業からの寄付が減ったのが大きく響いています。また楽員からシングルルームの要望もあり宿泊費がかさんでいます。 この頃はまだ不景気の影響がどの位日フィルにのしかかってくるのか正確にはわかりませんでしたが、まだそれほど深刻には考えていなかったように思います。結果的にこれ以後ボクが退団する2017年までオケが裕福になることはありませんでした。
添付の地図は今回のルートです。長い移動は飛行機で、短い所はバスです。アムステルダムの次の日はミュンヘンまで南下、そのあと少し北上してレーゲンスブルク。
ビオラのマイナス1は大陸に入って(アムステルダムからかミュンヘンからかは忘れました)ドイツの学生さんにエキストラに来てもらいました。この学生さん、オケに全く慣れていないのです。誰が何処から連れてきたか知りませんが全然弾けないのです。もう練習はないし簡単なGPだけ、という条件で探さなかったのでしょう。英国でのエキストラ氏は問題なくプロでした。
レーゲンスブルクが4月30日、翌日移動日で5月2日ベルリン、フィルハーモニーでコンサート。ここで事件が起こりました。犯人はボクです。 本番中、貴重品の入ったバッグなどを一つの大きな箱に入れて団が管理していました。本番が終わり、自分のショルダーバッグを取り出したのですが、暫くすると違和感を感じました。何と両肩にショルダーバッグをかけているのです!一つは自分のものですが、もう一つは他人のものです!?どうしてこういうことになったのか、全くわかりません。とりあえず急いで返しに行くと、そこには鞄が無くなっているお方が「あー、無い!」と騒いでいました。ホント、すみませんでした。
翌日はデュイスブルク、次の日移動日でドイツ北部の港町ウィリヘルムスハーフェン、ここは軍港でもあります。この日から弾けないエキストラ学生さんに替わって、フランクフルトで頭を弾いている日本人に来てもらいました。この人のお姉さんが日フィルのバイオリンで(芸高の一つ先輩)、助っ人の妹さんはボクの2級下です。この女性はボクのハンガリー時代にウィーンにいて子猫を一匹もらってブダペストで飼っていたという間柄です。オーストリーからハンガリーへ連れて帰るのに猫にもパスポート(猫の特徴や予防接種証明)が必要でした。とにかくお礼を述べ再会を祝いました。多分最後のプラハまで一緒にツアーをしたと思いますが、正確にはどこからツアーに参加してもらったかははっきり覚えていません。この後日本フィルは2回このウィリヘルムスハーフェンに行くことになります。
つづく
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