| 2021/02/15(Mon) 15:41:56 編集(投稿者)
おはようございます、floraさん
日本フィルの第3回ヨーロッパツアーは創立40周年記念と銘打ち1996年に行われました。日程は4月22日出立、5月18日帰国で期間は1ヶ月弱でした。やはり前回、前々回のように1ヶ月を超える長さになると家庭の事とか、精神的にキツイ人もいるのだと思います。また楽員からの要望で、これまでのツアーは全てツインルームだったのを一部シングルルームとしました。
今回の指揮は広上淳一、ソリストは渡辺玲子さん(ラロ:スペイン交響曲)、ガブリーロフ(ラフマニノフ2番、パガニーニの主題による狂詩曲)、坂本朱(ファリャ:三角帽子)、バルストツ(同じくファリャ:この人の事、全く記憶にありません)、この他にベートーベン1番、ショスタコーヴィチ5番、モーツァルト《リンツ》、吉松隆《鳥たちの時代》を演奏しました。
この旅行はまずロンドンに入りました。一日オフの後リハーサルを一日取りました。ガブリーロフやバルストツとの合わせを日本でしてないからです。この頃BSE(いわゆる狂牛病)が問題となっていて、みんなビーフステーキを食べるの控える中、(今回も同室の)K氏は「平気平気」と食べてました(K氏、BSEに罹らなかったのでK氏は結局正しかったことになります)。 ロンドンに入った翌日がオフだったので念願のホームズ記念館へ行きました。中を見ていると、架空の人物を殆ど歴史的事実として本気で扱っている処に英国人のユーモアを感じます。またホームズへの愛着も強く感じました。
ここでホームズの横顔(1センチ角位;with pipe)が入ったセンスの良いネクタイと面白い絵葉書を買いました。最後の事件でホームズとモリアーティがライヘンバッハで最後の対決をするでしょう?二人が滝の上で浮き輪を腰につけて対峙しているイラストの絵葉書です。それをfloraさんに見せようとずっと探してるんですがどうしても見つからないのです(T_T)
ロンドンの公演はロイヤルフェスティヴァルホールでした。そうそう、ビオラの先輩の奥さんが急に病気になって急遽ツアー不参加になりました。楽器は前もってカーゴ(cargo)で運んだので、この旅行中彼の楽器だけがヨーロッパツアーをおこなうことになります。でとりあえず英国内のコンサートはロンドンでフリーで活躍する英国人(と思う)に来てもらうことになりました。少し話をしましたが、彼はロンドンフィルなんかにも行っていて、殺人的な忙しさだと言ってました。一日に二つ三つの仕事をするのは珍しいことではなく、それで暮らしが裕福になるのではなく、それほど仕事をしないとやっていけないのだと言ってました。
ピアニストのガブリーロフは以前からレコードやCDを通して知っていましたが、この人多分アル中か薬物中毒でした。この後何回か共演しますが平気でゲネプロに遅れてくるし指もまともに回りません。でも新聞の批評は「素晴らしかった」なんです。批評の出鱈目さ!。最後の方では広上も切れてました。 ロンドンでは吉松、パガニーニラプソディ、三角帽子を演奏しました。坂本朱さん、声太くて上手でした。
翌26日はバーミンガムでのコンサート、吉松に代わって《リンツ》、後は同じプロ。初めてバーミンガム行きましたが、時間がなく観光できませんでした。 次の日移動日でアムステルダムへ
つづく
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