| おはようございます、floraさん
>どの弦でひくのか、楽譜に書き込んではだめですか? だめどころか普通は書き込みます。話の視点はちょっと違いますが、例えば「G線で」というとき「sul G」と書きます。「sul」はイタリア語でこの場合は英語の「on」にあたります。ところが次の「G」はイタリア語だと「ジ」とよむはずですが、ドイツ語読みで「ゲー」、全体で「スルゲー」と発音します。これはsulがドイツで使われそれがさらに日本へ伝わったのだと思います。そもそもイタリア語ならGじゃなくて「sul sol(ソ)」じゃないかと思うんです。
初めに「普通は書き込みます」と書きましたが、では普通じゃないときってあるのか?ですが、あります。やくたいなベテラン楽員並んでいるプルト(例えばボクとボクの先輩)では、あまりにその指示がその指揮者の独自研究だと思うと書き込まないことがあります(次にその曲を演奏するときもその楽譜を使うので)。でも後ろには伝えなければいけないので、弓で楽譜を指し、「ここはG線だそうです」と伝えます。
ヨーロッパのエージェントのことは詳しくわかりませんが、国内だけ、というエージェントには頼まないと思います。ツアー全体を見通すのが煩雑になってきます。
旅行のスケジュールに関して日フィルには演奏行動基準という決めがあります。一番細かく決められているのは首都圏近郊での連続稼働日数や移動手段で、例えば朝何時以前の移動は禁止とか夜何時以降に東京に着く場合は夜間手当がつくとか。 それが国内旅行になると規制が緩和されるます。どうしても朝早く移動しないと間に合わないとか出てくるからです。大昔はそういう場合はその都度事務局と楽員で話し合いが行われていましたが、結構頻発したので、早朝手当をつける、極力避けるということで合意した経緯があります。
それが国外ツアーになると規制はもっと緩和され何でもあり状態になってきます。以前ロンドンフィルにエキストラに行っている人に聞いた話では、多分日フィルでは禁止されているようなキツイスケジュールもヨーロッパでは普通に行われているんじゃないかと思います。その辺りはオーケストラのランクとも関係しているんじゃないかと思います。
ヨーロッパツアーなどでは団で楽器に保険をかけます。ボクの記憶で楽器の盗難はなかったと思います。一番大きな事件はミラノでのパスポート盗難事件(置き引き)だと思います。あと飛行機の荷物が違う国へ行っちゃった事件と言うのもありました(いずれもボクじゃありません)。チェンジマネーで騙された人もいました。 ぼくは掏りとかに襲われたことがありません。多分そういう被害に遭う人は小ぎれいな服装とか一見していかにもお金持ってます!みたいな人なんだと思います。アイツひょっとして掏り?みたいな格好していると掏られないような気がします。
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