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No18965 の記事


■18965 / )  Re[16]: カント哲学を推測してみる日記
□投稿者/ pipit -(2021/11/17(Wed) 12:24:55)
    みなさま、こんにちは !
    No18604 からの流れで、書いた
    No18684のpipitの書き込み文に沿って、関連あると思っている解説文などを引用します。

    >思考による内容空虚な編集の働きだから、感性による内容に依存して、各々唯一無二のコンテンツに仕上がってる。<

    No18750

    >感性による内容は、カント的には、二値論理(真偽)の世界にあるものではなく、<

    No18844


    >しかも本当の感覚の生の接点、源泉点は、触発による受動。<
    >解説者の方が、文字通りの地動説としての回転という感じにおっしゃってた記憶あるけど、過去に引用してるので、そこらへんも絡めて書きたいと思ってます。<

    ★今回は、この箇所についての引用をします。
    まず、柄谷行人さんという方の『カント的転回』という記事を抜粋引用します。

    (柄谷さんの記事)
    『カントの「コペルニクス的転回」という比喩は、
    それまでの形而上学が、
    主観が外的な対象を「模写」すると考えていたのに対して、
    「対象」を、主観が外界に「投げ入れた」形式によって「構成」するというふうに逆転したことを意味している。
    そのことは、カント自身の言葉から見ても疑いを入れない。
    これは、ある意味で、主観(人間)中心主義への転回である。

    ところが、コペルニクスにかんして誰もが知っている「転回」とは、何よりも天動説から地動説への転回である。
    つまり、それは、地球(人間)を中心とする思考の否定なのである。

    カントは、このような「転回」を無視したのであろうか。
    否、私の考えでは、カントの「物自体」という考えにこそ、この意味での「コペルニクス的転回」があらわれている。
    たとえば、カントはこう言っている。

    (※以下、篠田英雄先生訳のカント文の引用となります。↓)
    感性的直観能力は本来、受容性にほかならない。
    換言すれば、表象によってある仕方で触発される能力である。
    そして、これらの表象の間の相互関係がすなわち空間および時間という純粋直観(われわれの感性の純粋形式)なのである。
    また、これらの表象は、それがかかる関係(空間および時間の)において経験統一の法則にしたがって結合され規定されるかぎりでは、対象と名づけられる。
    こうした表象を生み出す非感性的原因は、われわれにはまったく知られていない。
    このような対象(自体)は、空間においても時間においても表象されえないだろう。
    しかし、われわれはかかる感性的条件なしには、直観というものをまったく考えることができない。
    にもかかわらず、われわれは、現象一般の可想的原因を超越論的対象と名づけてさしつかえない。
    しかし、それは、われわれがかかる対象(物自体)によって、受容性としての感性に対応する何か或るものをもつためにすぎない。
    われわれは、われわれの可能的知覚の範囲と連関を、すべてこの超越論的対象に帰し、かかる超越論的対象をいっさいの経験に先だってそれ自体与えられている、といってさしつかえない。
    ところが、この超越論的対象に対応するところの現象は、それ自体与えられるのではなく、経験においてのみ与えられるのである。
    (『純粋理性批判』岩波文庫、篠田英雄訳、中、一七一頁)
    (※カントの文章の引用終了↑)

    ここでは、人間が能動的に対象を構成する前に、それを感性において触発する物自体、認識を可能にするがそれ自体は認識できない物自体が中心として見いだされている。
    言いかえれば、カントは、人間の受容性・受動性を強調しているのである。
    カント以降の哲学者はーショーペンハウエルのようなカント主義者でさえーすべて物自体という概念を拒否した。
    その結果として、カントは、世界を能動的に構成する主観性の哲学の祖と見なされるようになる。
    それはカント自身がいう「コペルニクス的転回」の方向に沿うものである。
    しかし、カントには、あくまで主観の受動性・被投性Geworfenheitを強調する物自体の概念がある。
    それは、いわば地動説という意味での「コペルニクス的転回」である。』

    現代思想1994年3月臨時増刊号p8-9より引用。

    この続きで、読んでいておもしろく思う箇所を、また後ほど引用したいと思っています。

    が、上記引用カント文章の中山元先生訳も読みたいと、ふらふらと探しているのですが、お目当ての文章はまだ見つけられてないのですが、
    話題に関連する別箇所を見つけたので、そちらを先に引用するつもりしてます。
    (中山元先生訳本、3巻p298)
    中山先生独自の小見出しとしては、
    『370 〈超越論的な対象〉の位置』

    とりあえずここまでを投稿します。

    沼本 _(:3 」∠)_   パタリ

    また続きます(予定)

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