| 2020/07/22(Wed) 11:51:09 編集(投稿者)
音楽の引用の話が出たついでに
日本語アカデミックライティングという講義を受講しました。学術論文の書き方についての講義です。そこでも1章を設けて引用の説明がありました。
引用には直接引用と間接引用の2種類あります。直接引用はパニチェさんが注意を喚起している引用です。 直接引用に関して 「直接引用では出典そのものに価値があるのだから、(略)引用元が表示されない場合は決してありえない。」(日本語アカデミックライティング ’17:受講用印刷教材) 又、 「直接引用だからといって、原典に帰って確認することなく、孫引きもを行ってしまうのもタブーとされている。」(同)
間接引用というのは 「他者の言葉や文章を、自分の言葉や文章に変えて要約を行ったり、場合によっては自分の解釈を含めて掲載したりすること」(同) となっています。そのため 「引用上の問題が生ずる場合があるので、要注意である。(略)他者の言葉と自分の言葉との境目が不明瞭になるという、短所でもあり長所でもある特性がある。」(同) それを自覚した上で、 「他者の言葉の及ぼす影響に関して、最大限の敬意を払う必要がある。間接引用では、著者の姓と出版年を併記しておくのがふつうである。」(同) となっています
直接引用の例 中野美代子氏は「沙悟浄は、こうして見事に水中担当者としておの責務を果たし、三蔵法師の弟子となり得たのであるが、それというのも、正体は蛇、あるいは蛇が生まれ変わった龍であったからであろう」と指摘されている。(日本及日本人通号1565所収:中野美代子「イヌのいない動物誌 桃太郎から『西遊記』まで」1982)
間接引用の例 中野美代子氏によれば、沙悟浄の原型は深沙神でありそこに山海経などにでてくる’あつゆ’、生まれが流沙河→河に住むもの→蛇や龍、というイメージの積み重ねが行われた結果、沙悟浄が形成されたということになる。(日本及日本人通号1565所収:中野美代子「イヌのいない動物誌 桃太郎から『西遊記』まで」1982)
(この間接引用の例は、全て中野美代子氏が掲載論文で述べられていることなのですが、既に‘引用’の域を超え田秋氏の言葉になりすぎているかもしれません)
結論:安全なのは直接引用ですね。
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