| 夏草や兵どもが夢の跡
この句、惹かれますよね。 私も以前から心惹かれる句でした。 生い茂った草が一面に広がり、太陽がそれを照らし、時折強く吹いてくる風に 草が揺らされ隣あった草と草がぶつかり合う。 そんな風景が浮かんできます。 昔、激しい戦が繰り広げられた跡地にいて、思いを巡らす芭蕉の心情にも共感できる気がするのです。
松尾芭蕉は、源平合戦に心惹かれていたそうで、特に木曽義仲がお気に入りだった そうなんです。 芭蕉のお墓は大阪にあるけれど、滋賀県の大津市、義仲寺(ぎちゅうじ)にも義仲の隣にお墓があるそうです。 義仲の隣に墓所を、というのは芭蕉の遺言にあったそうです。 このあたり、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の番組最後の紀行でも語られていました。
義仲は、平家討伐の際、子どもの頃に命を助けられた老兵を、それと知らずに家人により首を取ったことに悲しみ涙した、と伝えられていて、都から離れた鄙びた地で飾り気なく生きた義仲に、芭蕉は心惹かれるものを感じたのかもしれません。
俳句、いいですよね。
匙なめて童たのしも夏氷 山口誓子
夏それぞれ。
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