| こんばんは。
ルター訳の聖書をもっていますが、ロゴスの訳はWortになっています。英語のWordに近いです。 それまでヨーロッパ世界で中心だったのはラテン語訳聖書でしょう。聖書を読むことを禁止する以前に、その当時の庶民にはラテン語も読めなかったのだと思います。ラテン語にしても元々は古典ギリシャ語に比べれば、野蛮人の言語で、長い時間をかけてギリシャ語的な語彙や精神を取り込む過程で洗練されていったのがラテン語だと言われています。新約聖書のギリシャ語はコイネーですが、いわゆる古典ギリシャ文明黄金期のギリシャ語よりは、素朴な庶民的な言語らしい。あまり哲学や理性的な香りのするものではないとか。この点では、ラテン語訳の方が荘重かもしれません。
ヨーロッパというと文明の先進地と思いがちですが、東アジアの方が少なくとも文字や読書に関しては、遥かに早い段階で成熟していたのではないでしょうか。
ルター訳が十六世紀に出て、ようやくドイツ語が国民言語として生まれたとかいって、中国や日本に比べれば遅すぎるのではないでしょうか。
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