| 仏陀は、法の順番として何を教えたのか?
まずは、五比丘へ初期の法を説きました。 その時の内容は、五妙欲を教え、次には四禅定そして無色界定という事で、これは、悪しき者の認識範囲に入らない処へ到達した境地の者という事だったようです。
当時、五比丘+仏陀ということで6人の中だけで説かれた法でした。
五妙欲(五根によって識られる、欲の具わった、染心を煽る五境)から四禅定(初禅・二禅・三禅・四禅)、そして(空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処・想受滅)という事で、悪しき者の認識範囲に入らない処へ至るという事を説いたようです。ここでいう悪しき者の認識範囲に入らない処とは、四禅定の初禅からの処の事を表現しているようですね。つまりは、九次第定(初禅・二禅・三禅・四禅・空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処・想受滅)の初禅に至れれば、悪しき者の認識範囲に入りませんので、輪廻転生はないという事になります。
他経典でも、初禅は、(段階的な)慧解脱という事で説明がされているようですが、より求められるのであれば、完全な慧解脱という記載もあるようです。これは、その各人の機根次第だという事になるのでしょうか。
そして月日がたち、サーリプッタとモッガラーナの一団約500名ほどが仏陀の元に合流した後での説法の基本は、波羅提木叉の防護→六根の防護→飲食の適量を知る事→不眠の実践→正念正知→遠離せる住処→五蓋の捨→四禅定という事です。
仏陀の中では、まずは波羅提木叉の防護を教え、それを修習すると六根の防護を教えるといった順番があったようですね。
五比丘の時と比較して教えが多くなっており、まずは最初に不善な事柄より自らの心を守る方法を教えていたのが理解できます。当時の真面目な部類の修行者たちは、教えにより自らの心を守りつつ梵行に励んでいたのでしょう。
そして仏陀独自の四禅定の教えの修習により慧解脱者は多く誕生したものと思います。そしてこの慧解脱者に、識無辺処だ無所有処だという事を尋ねても答えられませんし、答える必要もなかったのですね。
仏典内容から、いつ?というのは分からないのですが、初期の五比丘への説法と人数が増えた頃の説法と、それ以降のものとは違ったと思われますが、最終的に目指したものは同じに思います。
出家者は、現世での苦の滅尽に伴う輪廻の終焉(般涅槃)であり、在家者は、次世の天界への転生からの般涅槃です。
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