| >「おそらく彼(ラムジー)が何より愛したベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲の一つの最終楽章について、ここで天が開くように感じる、と彼は私に語った」とあります。
>「最後の弦楽四重奏曲の一つの最終楽章」 これがどの楽章を指すのかについては注意が必要です。これが文字通り最後の弦楽四重奏曲、即ち第16番なら「の一つの」は必要なく、「最後の弦楽四重奏曲の最終楽章」と書くはずです。
やはり原文がどうなってるかですね。「最後の弦楽四重奏曲の一つの最終楽章」という訳語は不正確かつ曖昧ですね。晩年の弦楽四重奏曲群とかならわかります。ただ、一つの曲の最終楽章に特定する文意であることは間違いないと思います。
ベートーヴェンの最終期の五つの弦楽四重奏曲を愛する人なら、いずれも愛するけれど、そのうちの一曲をから特に「天が開く」印象を受けたと。ラムジーはどの曲を特に念頭においていた、もしくは特に愛していたのでしょうか。たぶん13番ではないと思います。最後に置かれた大フーガより、13番の最終楽章がいいとは普通はならないのでは?大フーガはすごいですから。12番もいいですが、それ以降の14番、15番、16番ですかね。
この3曲の終楽章だけとって比較して、音楽から受ける印象として「天が開くように感じる」のはどれか?
やはり16番ですかね。私としてはこの3曲で一番心動かされるのは15番ですが。一般的には14番が最高傑作とする人が多い感じですね。
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