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No36131 の記事


■36131 / )  Re[80]: つれづれなるままに
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2024/01/11(Thu) 19:02:37)
    No36130に出てくる「ファンタスマ」、「準現在化」について、【「現象学事典」弘文堂2014】にあるので、書き写して見る。
    全部はまずいかもないので、一部だけ。アキュートアクセントは省略しときます。

    ファンタスマ [(独)Phantasuma] 
    〔知覚においてその体験された内容が感覚と呼ばれるのに対して、想像における内容はファンタスマと呼ばれる。感覚とファンタスマ、たとえば感覚音と音ファンタスマは、内容の面だけからみれば、同種類のものである。またわれわれは感覚とファンタスマを同時に体験することができる。たとえば楽譜を読み(視覚的感覚)ながら、メロディーを想像する(音ファンタスマ)という場合のように。・・・・・感覚を基盤とする知覚的対象とファンタスマを基盤とする想像対象とは統一することがない。・・・・感覚が実在性(Realitat)と現前(現在Ggenwart)を有するのに対して、ファンタスマは非現実性(Irrealitat)と空無性(Nichtigkeit)という性格をもつ。・・・・ファンタスマは内容的には現在的であるが、現在化しない対象を準現在化する(vergegenwartigen)ためにある。知覚において変様された再現体(たとえば記憶)において、「ファンタスマの現在的として妥当する働きは、それが非現在的として妥当する働きを前提にして」[Hu 23.165]はじめて可能である。〕

    現在化/準現在化/共現在化[(独)Gegenwartigung/Vergegenwartigung/Mitgegenwartigung]
    〔直観的表象作用はその統握形式に従って、大きく現在化と準現在化とに分けられる。現在化は対象が現に現れること、有体的(lebhaft)に現前していることを表し、知覚の志向的性格であるとされる。これに対して準現在化は記憶や想像や予期を規定し、現にない対象を思い浮かべる事態であり、この意味では、再生(Reproduction)や再現前化(Reprasentation)と同義である。・・・・・・・現在化にはつねに想起と想像としての準現在化が協働している。たとえば家の知覚において、前面だけの現在化を、背後も内部も調度も住まう人も含む家そのものを構成する準現在化が支えているのである。この意味で共現在化は現在化と一体となった準現在化のことであり、知覚対象は単なる現前(Prasenz)ではなくつねに付帯現前(Apprasenz)なのである。・・・。〕

    もう一つ、【フッサール著『デカルト的省察』1931浜渦辰二訳岩波書店2001】の訳注に、
    〔Vergegenwartigungその動詞形vergegenwartgenは、ふつうは「ありありと思い浮かべる」と訳される。しかし、ここではGegenwartgungに前つづりver-(ここでは「結果」の意)がついて形として使われているので、それとの関連も考えねばならない。そのため従来は、この対語Gegenwartgung-Vergegenwartgungに対して、「現表象―表象」(山本)、「根源的呈示―創造的呈示」(船橋)、「現在化―準現在化」(『現象学辞典』)という訳語が当てられてきた。本訳書では、gegenwartgenを「現前させる」とし、それに対してvergegenwartgenを「準現前させる」(つまり、「現前してはいないが、あたかも現前しているかのように、現在に準ずるようにさせる」の意)、その名詞形Vergegenwartigungを「準現前させること/働き」とした。この語でフッサールが考えているのは、過去に関わる「想起」、未来に関わる「予期」、非現実に関わる「想像」など、要するに、現在に関わる「知覚」の「変様」として、それに準じて変様された現在に関わる働きである。〕

    とりとめもなく、
    *現前するもの=現在=現実←知覚がかかわる。非現実性←想像がかかわる。
    *現前するもの(現在・現実)を現在化する知覚。現前(現在・現実)しないものを準現在化する想像。
    *端的な知覚によって見られている楽譜(現前するもの=現在)は物理的像として。そして現前(現在)してない(現にない対象を思い浮かべる)、想像されたメロディ。
    *感覚を基盤とする知覚的対象とファンタスマを基盤とする想像対象とは統一することがない。
    No36130の(t)あるような、〔想像は知覚の特色である内容充足を成就することができない〕に似てる。
    *現在化にはつねに想起と想像としての準現在化が協働している。
    *知覚対象は単なる現前(Prasenz)ではなくつねに付帯現前(Apprasenz)なのである。
    「Apprasenz」って「apperception」(統覚)となんか似てる。

    なんかもっと簡単に見ることできないかな〜って、悩める悪魔ちゃん。

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