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Re[29]: マルクス・ガブリエル
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□投稿者/ みのり -(2023/09/30(Sat) 08:29:05)
| ■No33567に返信(みのりさんの記事)
> 『世界はなぜ存在しないのか』という本があるのを知った。 > その著者がタイトルにしたマルクス・ガブリエル。
前の投稿で触れていた『哲学名著の50冊が1冊でざっと学べる』岡本一郎 著 を読みまとめてみます。
p251より。
ガブリエルの哲学の中心的なテーマは、現代の哲学的な状況をいかに切り開いていくか。 相対主義的な思考法、自然主義的な思考法が力をもち、人間の心の探究も脳科学でできるという考えが支配的になっている傾向に対して、哲学がどのような答えを用意し問題解決を図るのか。
p252より。
『なぜ世界は存在しないのか』は、2013年の出版。 「新実在論」という立場を取っている。
「世界は存在しない」という命題は、「世界以外のものはすべて存在する」という命題とペアになっている。 ガブリエルによると、この2つを証明することが、『なぜ世界は存在しないのか』の課題。
ガブリエルは、「世界」という概念を2点で定義する。
1. 最も大きな領域を指す概念であること。 したがって、物理学的な「宇宙」よりも「世界」のほうがもっと大きな概念。
(私見) 普通の感覚では、世界より宇宙のほうが大きな概念なのだけれど、あえとこう定義したわけですね。 これはおそらく、宇宙については様々に考察したり文章化することが可能であることが関わっているのだととりあえず考えます。
2. モノではなく事柄の総体であること。 モノ(机、パソコン、椅子などなど)が集まっているのが世界なのではなく、 文章で表現されうる事柄を全部まとめたものが「世界」。
(私見)つまり、無限に語りうるということなのだと思います。
p253より。
ガブリエルの独自性は、事柄の総体という世界概念に、「意味の場」を付加したこと。
「AはXという意味においてBである」となる。 ここで例として、ユニコーンは神話という場において存在する、というのが出ています。
(私見)似たようなことなら、 幽霊は心霊というカテゴリーにおいて存在する、 なんていうのもそうですね。 実在が当然とされる人間にしても、地球の人間界という場において存在するのですね。
☆どんなものも無条件に存在するのではなく、「Xという意味の場において存在する」となる。(p253)
それなら「世界」は、「Xという場において存在するのか」を考えると・・・
そうなると「X」は世界よりも大きくなければならない。
(私見)大きな、包括する概念でなければならない、ということだと思います。
しかし、「世界」という概念は、限定的なものではなく、いくらでも語り うる可能性のある概念であり、それを包括する「X」は存在しない。
=== そして、「X」が存在しないのであるから、「世界」も当然存在することはない。 これがガブリエルの言う、「なぜ世界は存在しないのか」のロジックである。 ===p254より引用
(私見)何かが存在するという時、必ず、意味の場においてそれは存在する。 ユニコーン、幽霊、人間の例を出しました。 それぞれに、神話、心霊、地球というそれより大きな包括するもの(「場」「X」)において存在する。
しかし、無限に語ることのできる「世界」を包括する「X」は存在しないので、「世界」も存在しない。
ということなのですね。
☆悪魔ちゃん、おとといは投稿ありがとうね。
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