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No33121 の記事


■33121 / )  パニチェさんへ
□投稿者/ ザビビのふくろう -(2023/09/18(Mon) 00:52:01)
    パニチェさん、こんばんは。
    レスをありがとうございます。
    なかなかまとまらなくて、時間がかかりました。
    結局、まとまらなくて、長大になってしまいました(笑)
    長すぎて、一回では投稿できないようなので、2回に分けます。

    □投稿者/ パニチェ -(2023/09/16(Sat) 08:40:59)
    2023/09/16(Sat) 09:39:28 編集(投稿者)

    >おはようございます、ザビビのふくろうさん。レスありがとうございます。
    >返信遅くなりました。

    >> うーむ。
    >> 「時間差でもってわかる」ってのが、いまいちわかんないんですよね…。
    >> どうやってわかるのか?
    >> また、そもそもそれは〈私〉なのか?〈私〉だと言えるのか?

    >他の誰でもなく私が眠っていたことが分かるから〈私〉もあったのではないかってことなんですけど、「私がある」もしくは「私があった」ところに「〈私〉もあった」と考える方が辻褄は合います。
    >逆にザビビのふくろうさんは、睡眠や意識がなくなっていたのが自分であったと、どのような根拠でもって分かりますか?それとも「私はなかった」ので、「私が意識をなくしていたのは分からない」という感覚でしょうか?

    >> 例えば、夢遊病の人が夜、眠ったままの状態で徘徊し、目が覚めたときに全くその記憶がないとします。
    >> このとき、徘徊したのが〈私〉ってわかるのでしょうか?
    >> あるいは、ジギルとハイドのような多重人格の人が、主人格が意識を失って別人格にとってかわられているときに行った殺人を全く覚えていないとすると、どうでしょう?
    >> 意識が戻ったとき、別人格の自分も〈私わ〉とわかるんでしょうか?どうやって?

    >夢遊病や解離性同一障害を私は実体験してないので、これは想像ですが。。。
    >他者の〈私〉、(本来は他者の〈私〉なんてことはありえないんですが)を>私<と表記するとして、別人格の〈私〉は>私<なんでしょうね。
    >但し、解離性同一障害には治療への協力を惜しまない全人格を把握している内的自己救済者(Inner Self Helper)という人格もあるようで、別人格の〈私〉を他者の>私<と同一視していいのかはよく分かりません。
    >
    うーん、自分から話しを振っておいて何なんですけど、この問題難しいですよね(笑)
    そもそもは、パニチェさんの考えでは、〈私〉は知覚世界と独立の実在かどうかを確かめるためにした質問だったような気がするんだけど…。

    とりあえず、これがいいか悪いかは措いて、話を簡単にするために、ここでは〈私〉を〈意識としての自己〉と解釈・仮定し、「〈私〉の世界」を「私の意識世界」て考えますね。
    この〈私〉の世界を内側から把握する限り(つまり、マッハ図の視点)、〈私〉の存在しない世界などというものは想像し得ません(自分が意識を失っているマッハ図など描けない)。
    要は〈私〉は絶対の〈存在(有)〉であり、その非存在を思考する(語る)ことは論理的に不可能であり、無意味。
    しかし、世界内存在者としての「私」がいなくなった世界は普通に想像可能です(自分が死んだ後の未来世界の想像とか)。
    同様に、私の意識世界の外側の視点に立って私を対象化し、その「「私」が眠っている世界」「「私」が眠ったまま夜の街を徘徊している」というのは想像可能です。
    そうすると、その想像された絵(「私」が眠っている心象)自体は〈私〉の表象であるが、描かれた絵の中には、「私」は存在しても、〈私〉は存在しない、と言うべきだと思うんですね。
    そうすると、やはり「眠っていた「私」は〈私〉ではない」ってことになるように思います。
    もし、パニチェさんが、この「私」も〈私〉だと考えるのであれば、私との見解の相違ということになりますが、どうでしょうかね。

    しかし、今、意識に立ち現われている過去に見た情景(記憶表象)というのは、〈私〉の情景であると思います(例えば、No32907で述べた夕日の情景など)。

    ということで、この問題は、このあたりにしておきましょうか?大変だし(笑)

    >> もう少し原理的に考えます。あ
    >> 〈私〉とは、ふくろうの理解では、絶対の「〈今〉,〈此処〉に,〈存在〉する」〈私〉であると思います(違っていたらご指摘ください)。

    >そうです、異論ありません。

    >> そしてこの〈私〉であれば、直知できるがゆえに不可疑な存在として確信できるのはわかりますが、覚醒した〈私〉にとって意識のない状態だった私は、過去存在であって既に直知対象ではありえず、したがってデカルト的懐疑をかけられたら疑惑を払拭することは不可能なのでは?と思います。
    >> 実際、多重人格者にとって、別人格の自分はむしろ他人なんじゃないかと思うんですけどね。

    >解離性同一障害については同意します。
    >確かに「〈私〉があったことが分かる」ってのは上記の定義からすれば矛盾してますね。
    >ただ「私があった」から「私が眠っていた」ことが分かるわけで、〈私〉はなかったが私だけがあったてのもしっくりきません。
    >私と〈私〉は不分離ですからね。
    >

    ただ、このへん、独我論を主張する場合は重要だと思います。
    特にパニチェさんのように、知覚世界の存在と〈私〉の実在というふうに分離する考え方の場合、「見るもの―見られるもの」という図5の枠組み(主観―客観図式)で捉えられていると考えられるので、「見られるもの(客観)」が失われたとき、見るもの(主観)である〈私〉は残るのか、というのは問題だと思うんですね。
    たとえば映画『マトリックス』のパニチェさんの説明(No32802)では、仮想世界と〈私〉は「存在のフィールドが異なる」と言い、「バーチャル世界の外にあるカプセルの中に実在している」ともおっしゃっていたので、バーチャル世界(客観)が消滅しても〈私〉(主観)は消えないのかな、と思うんですが、どうですかね。
    この解釈では、たとえば瞑想で無念無想の境地になっても〈私〉だけは残るって感じにも思えるんですが、そういうイメージは違うかな?


    >> まあ、ショーペンハウアーは独我論者ではありませんしね。
    >> ですが、〈私〉はどうでしょう?
    >> 「そこから世界が開けてくる唯一の原点こそが、すなわち〈私〉だ」(『〈魂〉に対する態度』187頁)
    >> この〈私〉の規定も、誰にでもあてはまりますよね。
    >> この規定が永井均ただ一人に当てはまらねばならない必然性などありません。
    >> これは永井も認めていたと思いますが、それは偶然です。
    >> つまり、世界開闢の原点は誰でもありえるということです。

    >そうです。

    >> これは私の推測ですが、これについてもパニチェさんは肯定すると同時に、いわば言語化の限界として、一般化されてしまうがゆえで、本来語り得ぬものを語ることによる避けがたいズレである、と言われるかもしれません。

    >そうです。

    >> ですが、問題は、じゃあ、なぜ語り得ぬものを語るのか?ということです。
    >> 本来言語を超越しているもの――例えば神――を絵に描いたり像を作ることはまさに「偶像化」であり、『論考』でも「語り得ぬことについては沈黙しなければならない」と言われています。
    >> そして「独我論が言おうとしていることは正しいが、それは語られ得ず、示されるだけである(T:5.62)」とも言われています。
    >> 独我論が言おうとしていること、すなわち「世界=私の世界(生)=私」ということは、語られ得ないのであるから、絵にも描けないわけです。
    >> そしてウィトゲンシュタイン自身は、
    >> 「T:5.62 世界が私の世界であることは、この言語(私だけが理解する言語)の限界が、私の世界の限界を意味することに示されている。」
    >> と述べています。
    >> であるにもかかわらず、なぜ、あえて、永井は絵を描こうとするのか?

    >禅宗で言うところの公案とか禅問答(禅宗の僧が悟りを開くためにおこなう問いと答えのやり取り)みたいなものですね。
    >〈私〉を理解している人には同類であることが分かるし、〈私〉について書かれた文章は自分事として読み替えることができます。
    >永井氏の〈私〉は読者からすれば、あくまでも>私<ですからね。
    >

    これ、私としては、少し違和感があるんです。
    というのも、昔の偉い禅僧の話なんかを読むと、永井に感じるような違和感はあまりないんですよ。
    何でかなと考えたら、たぶん、禅僧のいわゆる公案や禅問答は、明らかに矛盾したことやわけわからんことを言って、「語り得ない」ということを示しているように感じるからです。
    ところが、永井のは明らかに説明、語りですよね。
    ここが違うように思うんですよね
    (続く)

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