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No21035 の記事


■21035 / )  Re[57]: イメージ
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2022/02/23(Wed) 11:56:41)
    今日はもうちょっと書き写して見ま〜す。

    No20924、No20975に「ノエシス−ノエマ」っていうのでてきてる。
    前に、
    No16050に、ネットで調べたのを書いたけど、「現象学事典」のを書き写して置く。

    《ノエシス/ノエマ [(独)Noesis/Noema(ギ)νόησιϛ/νόηα ] 
    『イデーンT』で提示された超越論的現象学の現象学的分析とは、「超越論的現象学の還元」によって開示される「志向性の所与を看て取る」ことである[IdeenT227]。ノエシス・ノエマはこの「志向的分析」において基本的な役割を果たす方法論的な対概念。
     ノエシス的契機あるいはノエシスは意識の作用的側面を、そしてノエマ的契機あるいはノエマはその対象的側面を表す。両概念は、すべてのノエシスは必ずその相関者としてそれぞれのノエマを持つという志向的体験に見られる平行的構造を明らかにするために導入された。フッサール自らが確認するように、『論理学研究』では意識の志向性における「作用」と「対象」の平行性およびその相関関係が「一面的にノエシス的捉え方」によって考察された。それに対し「志向性はノエシスとノエマとの両側面を本質的に持つこと」、しかもそれら「両本質は相互に不可分である」という認識のもとに、『イデーンT』ではノエマ的側面に考察の重点がおかれ[265]、とりわけ志向的体験における「意識対象性の構成」の問題が「ノエシス・ノエマ的構成」という面から探究される[316]。また、ノエマは広義での「意味」(Sinn)と解され、「いかなる志向的体験もみなあるノエマを持ち、そのノエマにおいてある意味を持ち、この意味を介して、その体験は対象へと関係する」[278]。このように体験のノエマ的側面に目を向けことで意味付与作用と志向的対象についての踏み込んだ分析が可能になった。
     ノエシス的側面とは、体験の実的(reell)成素を指示している。たとえば庭の樹木(じゅもく)を見るときの「樹木的知覚」のような単純素朴な「感性的知覚」から、判断などのような思考作用、心情作用、意志作用などといったノエシス的層が積み重なった複合的なものまで、意識の志向的体験にはさまざまな作用的側面が見いだされる。[201-202]。こうした志向的体験におけるノエシス的側面は、さらに「素材的(ヒュレー的)契機」と「ノエシス的契機」という二つの契機に区別される。ヒュレー的契機をなす体験の成素は感覚的な所与で、ノエシス的契機によって「統握」され、「意味付与」されることにより「生気づけられる」(beseelt)。たとえば「樹木の幹の色」など色や音といった事物の感性的性質はヒュレー的契機の中に己れを射映してくる、つまり射映を通して現出する。そしてこのような感性的性質の現出作用(Erscheinen)もまた体験の実的成素を形成する[203f.]。この体験の基底の上に広義の思考作用としてのノエシス的諸契機によって超越論的に対象性が構成される。これに対して己を射映してくる音そのものや色そのものはノエマに属する。
     ノエマには、諸作用に応じて知覚ノエマ、判断ノエマなどがある。たとえば樹木についての知覚においては、それが現実に在るかどうかなどいっさいの「定立」(Setzung)を遮断した「知覚されたそのもの」、ここでは括弧に入れられた「知覚された樹木そのもの」が知覚的ノエマ、「現象学的に還元された知覚の本質に属する相関者」として示される[187]。ノエマ的なものは、射映や知覚作用、判断作用といった体験的諸作用などの実的諸成素からはっきり区別され、それらと混同されてはならない[75,77]。このように志向的対象としてのノエマは「体験の実的ではない志向的構成要素」であるが[181]、それ自身も複合的な契機から成る。その「ノエマ的諸契機」のうちで、とくに意味の契機を成すのが「ノエマ的意味」であり、これはノエマの核(Kern)を形づくる[185]。ノエマの核は意味的規定性(すなわち「対象のいかに(Wie)あるか」という存在諸性格を除く内容)とそれらの規定性の「必然的中心点」としての「空虚なX」に区別される。「全きノエマ」(das volle Noema)と呼ばれるものはその「意味(Sinn)の核」と、ノエシスの側の確信や疑問などの作用に応じてその対象が確実に存在する、あるいは疑わしく存在するなどといった「存在性格」とからなる[196-197]。心情や判断などのより複雑な意識作用においては、複数の作用に対する複数のノエマ(ノエマータ)が対応し、それらが核を中心に融合して同一の対象が意識される。》

    字数の関係で、分けて、「ノエシス−ノエマ」はつづきます。

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