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■31146  超越論的分析論X−5
□投稿者/ うましか -(2023/06/17(Sat) 07:44:37)
    2023/06/17(Sat) 07:45:21 編集(投稿者)

    pipitさん、おはようございます(/・ω・)/

    気がつけば、もう「純粋理性批判を読んでみる。48」になってた(;´・ω・)


    (´;ω;`)ウッ…

    *******

    T 超越論的原理論
    第二部門 超越論的論理学
    第一部 超越論的分析論
    第一篇 概念の分析論
    第一章 全ての純粋悟性概念を発見する手引きについて

    □全ての純粋悟性概念を発見する超越論的な手引き
    第二節 (第九項) 判断における悟性の論理的機能について

    *******

    1 判断の量=kQuantitaet der Urteile.〕
    ・全称判断 〔Allgemeine〕 〔すべてのAはBである〕
    ・特称判断 〔Besondere〕 〔あるAはBである〕
    ・単称判断 〔Einzelne〕  〔ある一つのAはBである〕

    2 〔判断の〕質=kQualitaet.〕
    ・肯定判断 〔Bejahende〕 〔AはBである〕
    ・否定判断 〔Verneinende〕 〔AはBでない〕
    ・無限判断 〔Unendliche〕 〔Aは非Bである〕

    3 〔判断の〕関係=kRelation.〕
    ・定言判断 〔Kategorische〕 〔AはBである〕
    ・仮言判断 〔Hypothetische〕 〔もしAがBなら、CはDである〕
    ・選言判断 〔Disjunktive〕 〔Aは、BであるかCであるかDであるかのいずれかである〕

    4 〔判断の〕様相=kModalitaet.〕
    ・蓋然的判断〔Problematische〕 〔AはBかもしれない〕
    ・実然的判断〔Assertorische〕 〔AはBである〕
    ・確然的判断〔Apodiktische〕 〔AはBでなくてはならない〕

    *******

    ◆ 2 同様に、超越論的論理学においては、無限判断〔unendliche Urteile〕≠ヘ肯定判断〔bejahenden (Urteil)〕≠ゥら、やはり区別されねばならない。
    たとえ無限判断が一般論理学においては肯定判断に数えられ、その区別の特別の項を成さないのが正当であるとしても、そうである。
    一般論理学では、述語のあらゆる内容を(たとえ述語が否定的であっても)捨象し、はたして述語が主語に付加されるのか、或いは主語と対立するか〔ということ〕にだけに注目する。
    しかし、超越論的論理学では、判断を、単に否定的な述語を媒介とする、この論理的肯定の価値または内容にしたがっても考察し、この論理的肯定がその全認識に関していかなる利得をもたらすかを考察する。
    〔例えば、仮に〕私が、霊魂について、「霊魂は死ぬものではない〔sie〔=die Seele〕 ist nicht sterblich〕」と言ったとすると、私は否定判断〔verneinenden Urteil 〕によって少なくとも〔「霊魂は死ぬものである」とする〕一つの誤謬を防いだことになる。
    ところで、〔これに対して、〕私は、「霊魂は死なないものである〔die Seele ist nichtsterblich〕」という命題によっては、霊魂を、不死なる存在者の無制限な外延の内に置くので、なるほどその論理的形式から言えば実際に肯定したのである。
    だが、死ぬものは可能的存在者の全外延の一部分を含み、死なないものは他の部分を含むので、私の命題によって主張されているのは、霊魂とは、私が死ぬものをことごとく除去しても残存するところの、無限に多くの諸物のうちの一つであるということ以外の何ものでもない。
    しかしこのことによっては、あらゆる可能的なものの無限の圏域が、死ぬものがその圏域から分離されて、残余のその圏域の空間の範囲のうちに霊魂が置かれる限りにおいて制限されるだけのことである。
    だが、この空間は、死ぬものが除去された際にも依然として無限のままであり、だからこの空間のいっそう多くの諸部分が除去され得るが、だからといって霊魂についての概念は、いささかも増大せず、また肯定的に規定されもしない。
    それゆえ、論理学的外延に関するこの無限判断は、実際には認識一般の内容に関しては単に制限的なものであって、その限り、この無限判断は、判断における思考の全ての契機を示す超越論的な表の内では見落とされてはならない。というのは、悟性がその際に行使する機能は、おそらく、悟性のア・プリオリな純粋認識の分野において重要であり得るからである。

    --- No.30874,30943からの続き ---

    ◇ 3 判断における思考の全ての関係は、
    a)述語の主語に対する関係、
    b)根拠の帰結に対する関係、
    c)区分された認識とその区分の全選言肢との相互関係
    である。

    ◇ 第一の判断様式〔述語の主語に対する関係〕においては、〔主語と述語という〕二つの概念だけが考察され、
    第二の判断様式〔根拠の帰結に対する関係〕においては、〔根拠を述べる判断と、帰結を述べる判断の〕二つの判断が考察され、
    第三の判断様式〔区分された認識とその区分の全選言肢との相互関係〕においては、〔互いに〕対立関係にある多くの判断が考察されている。

    ◇〔例えば、〕「完全な正義があるならば、常習の悪人は罰せられるだろう」という仮言命題は、もともと、「完全な正義がある」という命題と、「常習の悪人は罰せられる」という命題との二つの命題の関係を含んでいる。
    これら二つの命題のいずれもが、それ自体で真であるかどうかは、ここでは決定されないままである。
    この判断によって思考されるのは、その帰結だけである。

    ◇最後に、選言判断は、二つ、或いはそれ以上の諸命題の対立関係を含むが、この関係は根拠から帰結への関係ではなく、一方の命題の圏域が他方の命題のそれを排除する限りにおいて、論理的対立の関係であり、しかも同時に、それらが合して本来の認識の圏域を充たす限りにおいて、相互性の関係である。

    ◇それ故、その関係は一つの認識の圏域の諸部分の関係である、というのも、それぞれの部分の圏域は、区分された認識を全体的に総括するために他の部分の圏域を補足するものであるからである。

    ◇ 例えば、「世界は盲目的な偶然によって現存しているか、さもなければ内的な必然性によって現存しているか、さもなければ外的な原因によって現存しているかである」という選言判断において、そうである。

    ◇ この選言判断におけるそれぞれの命題は、世界一般の現存在に関する可能な認識の圏域の一部分を占めており、全てが合してその全圏域を成す。
    それらの諸圏域の一つから認識を除去するとは、その認識を残余の諸圏域の一つの内へと措定することに他ならない。
    これに反して、認識を一つの圏域の内へと措定するとは、その認識を残余の圏域から除去することに他ならない。

    ◇ それ故、選言判断の内には諸認識の或る種の相互性があり、この相互性は、それらの諸認識が互いに排除し合いながら、しかもそのことによって全体として$^の認識を規定するが、それは、それらの諸認識が一緒になって唯一の与えられた認識の全内容を成すからである。

    ◇ そして、このことは、次節のためにこの際注意しておく必要があると、私が認めるものですらある。


    † 原佑訳上巻、p.216〜p.217参照。
    † その他に、中山元訳2、p.59〜p.61、石川文康訳上巻、p.129〜p.131を参照。
    †≠ナ囲まれた言葉は、カントが『純粋理性批判』文中で強調したものです。
    † 翻訳はしますが、◇〜は私が便宜上用いた区分けであり文章は原文・訳文の通りではありません。
    † 文中〔〕内は私による挿入、*1、*2〜や、※1、※2〜は私の覚書とします。これらは後に訂正、削除、修正等することがあります。
    † ◆〜は原典における段落とします。

    *******

    X−1 No.30542、X−2 No.30550、X−3 No.30874、X−4 No.30943、X−5 No.31146
    W−1 No.30139、W−2 No.30154、W−3 No.30529
    V−1 No.29992、V−2 No.30063
    U−1 No.29963
    T−1 No.29833、T−2 No.29850

    *******

    第一部 No.29833,29850
    第一篇 No.29963
    第一章 No.29992,30063
    第一節 No.30139,30154,30529
    第二節 No.30542,30550,30874,30943,31146
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