| 読書籠り部屋A
p252〜258
カントによれば、アプリオリな総合判断を生み出すのは『形而上学』と『(純粋)数字』
え?純粋自然科学の例も出してたよね?
カントの考え方は・・・ 純粋自然科学という学には、 「現象に応用された」かぎりでの『数字』と、 自然を非経験的に考察する「純粋哲学」の部門(=自然に関する「形而上学」) が見出される。
つまり、カントによれば、純粋自然科学は、ある種の『数字』とある種の『形而上学』からなるので、 上記二つのアプリオリな総合判断の可能性が解明されれば、純粋自然科学の可能性についても基本的な事柄も解明されたことになる、と、考えてたみたいです。
カントは『自然科学の形而上学的基礎』の中で、自然科学の純粋部門は、 【形而上学的構成物と数学的構成物が互いに入り交じるのを常とする。】と言ってるそうです。
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というわけで、まずは、カントが考えてた、数字に属するアプリオリな総合判断、そして、その総合判断を得るための方法である『概念の構成』とは何か?を、冨田先生は解説されるみたいです。
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ここでは幾何学を例にとりあげられてます。 まず、カント的な用語の説明がなされていって、 その用語の意味が了解されたあと、「三角形の内角の和は二直角である」という命題を例に解説されています。
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用語説明 まずは、『概念の構成』
数学的認識は「概念の構成からの理性認識」by カント
【構成】、カント自身が綴っていた単語は、【Construction】
動詞は「konstruieren」コンストルイーレン、「構成する」。
『概念を構成するとは、その概念に対応する直観をアプリオリに描き出すことである。(略)。私が三角形を構成するには、この概念に対応する表象を、ひたすら想像力によって純粋直観において描き出すか、また想像に従って紙の上に経験的直観において描き出すかであり、いずれの場合にも、まったくアプリオリで、そのための見本をなんらかの経験から借りてくることはない。描かれた個別の図形は経験的であるが、にもかかわらず、概念が持つ普遍性を損なうことなくその概念を表現するのに役立つ。(略)』byカント(B741.742)
☆冨田先生の解説☆ どこに描くかというと、「想像」によって心の中に描く、というのがその一つです。 カントが使っているのはドイツ語の「アインビルドゥング」(Einbildung)ですが、その中に含まれている「ビルト」(Bild)はまさしく「像」のことであり、「アインビルドゥング」は「心の中に像を作ること」、あるいはそのようにして作られた「心象」を意味します。
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『構成』とは、『概念に対応する直観をアプリオリに描き出すこと』であり、 その描き方の一つは、 【ひたすら「想像」によって《純粋直観において》描き出す】
この時の「想像」を上記でみたので、次は、《純粋直観において》の意味するところを考える。
※※※※※※※※ p258まで終わります。 次は、p259の、人間の認識の仕組みのうち感性部門についてのごく簡潔な復習からみたいです。
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