□投稿者/ rest -(2025/04/09(Wed) 22:47:22)
| 2025/04/12(Sat) 10:54:54 編集(投稿者)
ある国の貿易黒字は他国の貿易赤字を意味します。従って世界の貿易黒字の合計は世界の貿易赤字の合計になります。我が国の貿易黒字は良いことだ、もっと追求しよう、ということは他の国の貿易赤字は良いことだ、もっと追求しよう、といっているのと同じことになります。 通説では貿易赤字が出ても別に問題はない、といわれています。金本位制では金が流出して大変なことになりますが、(管理通貨制)変動相場制のもとでは金利の変化で資本投資がおこなわれて支払いに不自由することはない、ということのようです。 それでは貿易赤字はほんとうに問題がないのでしょうか。 三面等価の法則における支出国民所得はY=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+X(輸出)−M(輸入)で示すことができます。国民所得のなかに貿易黒字は含まれています。これは明らかに他の国の貿易赤字を発生させていますので他の国の国民所得を減少させてしまうのです。2024年度の日本の対米貿易黒字は8兆6417億円ですが、同額の貿易赤字がアメリカで発生していますのでアメリカは同額の国民所得を失ったことになります。所得の移転、すなわち「富」の移転が発生していることになります。 貿易黒字を毎年のように発生させている日本はアメリカの所得を減らすことに貢献しているのです。もっとも望ましいのは貿易均衡ですが、自由貿易では達成されません。 トランプ氏の相互関税というのも貿易均衡をめざしたものですが、いろいろ問題があるようです。関税競争で世界経済が委縮していくのは目に見えています。 相互関税で企業が生産性を高めて競争力をつけるというのが無駄であることが関税によって示されるので、企業は努力しなくなるというモラル・ハザードの問題も生じます。アメリカの企業も関税に守られて本来の競争力の源である生産性を競う、ということが損なわれるのではないか。その結果経済は停滞します。ただ、関税が期限付きのものであれば、有効かもしれません。期限内に競争力を回復させねば生き延びられないという動機付けが形成されるからです。 関税よりももっと有効なのがあります。それは貿易黒字国が輸入を拡大して意図的に均衡をはかるということを義務付けるのです。貿易黒字国が均衡に向かえば、自然に貿易赤字国も均衡に向かいます。
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