□投稿者/ パニチェ -(2024/02/23(Fri) 09:18:11)
| 2024/02/23(Fri) 20:50:09 編集(投稿者)
戒名のルーツは上座部仏教で悟った人、つまり阿羅漢(上座部仏教での最高の悟りを得た人という意)に与えられた法名である。
仏教の土台となったバラモン教の時代には生産に直接従事しない司祭や王族や武士階級の人口が増えてしまい、生産者を確保する目的から、ブラーフマナ(司祭)、クシャトリヤ(王侯・武士)、ヴァイシャ(農・牧・商に従事する庶民)、シュードラ(先住民を主体とする奴隷)からなる四階級のヴァルナ(種姓)制度が成立した。
一説によれば紀元前1500年頃、コーカサス地方から東進し、西北インドに侵攻したアーリア人の身分を子孫まで確固たるものにするため、カースト制度の土台となり、正当性の根拠ともなりえる輪廻転生説が唱えられたとも言われている。
バラモン教では人生を四つの時期に分け、75歳からは最後の遊行期に入り、家や身分を捨て乞食(こつじき:托鉢して食を乞い受ける行)しながらこの世に対する執着を捨て死ぬ準備をする時期となる。
これが出家の起源であり、釈尊が生きた時代には世俗での地位や立場を捨て、剃髪して法衣を着すればみな等しく沙門釈子(この出家者は釈迦の子どもという意)と呼ばれていた。
「生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる。(初期仏典『スッタニパータ』より)」
上記の釈尊の教説からして仏教の根底には平等思想があり、釈尊自身が遊行期の遥か以前に王子の身分を捨て出家したこともあり、カースト制度上の生れによる社会的身分の差を認めていない(ジャイナ教徒や一部のヴェーダーンタ学派も人間の平等を唱え、カースト制度による身分倫理を否定した)。
法名をルーツとした戒名は中国に伝わった後、受戒儀礼を受けて与える名として定着した。
檀家制度が成立した日本では、仏式で葬儀を執り行う際に仏弟子になるという建前でもって寺の僧侶に戒名をつけてもらうのが慣例となっており、今では戒名に位を付けて高い身分ほど高値で売っている。
これはもはや仏道ではなく外道(仏教以外の教えという意)だろう。 こういう悪習を真正面から否定したり、批判する真っ当な坊主はこの国にはいないのか?
「アナヴァタプタという泉からガンガー・シンドゥ・ヴァクシュ・シーターの四つの大河が海へと流れ出している。それらは海に流れ込むと、もとの名はなくなり、ただ海と呼ばれる。同様に、クシャトリヤ・バラモン・ヴァイシャ・シュードラの四つの身分があるが、釈尊のもとで出家し、教えを学ぶ者となれば、元の身分がなくなり、釈尊の弟子というだけになる。なぜなら、私(釈尊)と教え(法)によって生れた者だからである。(『増一阿含経』より)」
少なくとも私は実社会では本名で生きて本名で死ぬ。
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