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『論理哲学論考』と"transition"
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□投稿者/ 田秋 -(2024/02/05(Mon) 23:24:35)
| こんばんは、うましかさん
ウィトゲンシュタインが「すべてがこめられていると思う《移行部》」、この《移行部》が何(どこ)を指すのかはわかりません。何故わからないのかというと・・・
楽曲をアナリーゼ(分析)する際、移行或いは推移という言葉はよく使われます。例えばソナタ形式の場合、第2主題の前に移行部(推移)という部分が置かれます。何故置かれるのかと言うと、第1主題と第2主題とでは普通調性が違うからです。下図は第9の第1楽章の提示部の簡単なアナリーゼです。第9はニ短調です。ですから第1主題はニ短調ですが第2主題は変ロ長調で書かれています。ニ短調から変ロ長調へ滑らかに繋ぐ部分、それが移行部(推移)です。
ですから作曲上の移行部には「すべてがこめられている」と言うほど重要な意味合いは普通ありません(少なくとも普遍的には)。
なのでこの「移行部」を音楽に関連付けて理解しようとする場合は、色々な意味を込めて単に「部分」と読み替えた方が袋小路に入り込まないような気がします。
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