□投稿者/ 田秋 -(2023/10/13(Fri) 21:58:29)
| 2023/10/14(Sat) 05:33:58 編集(投稿者)
最初に knowingitself さんの質問への回答は哲学の雑談17に書きました。
ウィトゲンシュタインの音楽の才能がどのくらいのものであったのか。いまのところはっきりしたことはわかりません。ウィキペディアの〈ウィトゲンシュタイン〉の項には 「ルートヴィヒ自身にはずば抜けた音楽の才能はなかった」 とあります。
一方、下記のブログには https://hiroyukikojima.hatenablog.com/entry/20080305 「音楽には天賦の才能があったらしい。 その証拠に、ある年、ウィーンフィルが演奏のゲネをやっていると、幼少のウィトゲンシュタインがそれを傍らで聞いていて、「そこのバイオリンは、もっとこれこれの方がいいのでは?」などと演奏に注文をつけたのだそうだ。普通なら、何をこの生意気なガキ、と思われるところだが、それらの演奏へのコメントが逐一全く正しいので、ウィーンフィルの演奏者たちは驚いてしまったのである。つまり、彼は幼少のときにすでに、世界に通用するきわめて繊細な音感を持っていたというわけだ。」 とあり、ウィキペディアの内容とは乖離があります。
『秘密の日記』P237には 「彼自身もクラリネットを演奏したり、口笛の達人であった」 とあります。 もしウィトゲンシュタイン自身が自由意志でクラリネットを選択したのなら(日本の中学校などでフルート吹きたいと思って吹奏楽部に入部したら、フルートはもういっぱいいるからあなたクラリネットね、とか言われたりします)、彼はきっと’いい人’です。何故ならクラリネットはビオラと音域が似ている(中音域)からです^^ ブラームスは同じ曲をビオラでもクラリネットでも演奏できる様、2種類の楽譜を書いてます。ただ、違うところもあり、クラリネットの方がソリスティックで、モーツァルトはクラリネット協奏曲やクラリネット五重奏曲を書いています。
《世紀末ウィーンとウィトゲンシュタイン 》岡田 雅勝 北海道大学哲学会『哲学』39号(2003年7月) という論文を見つけました。 その中に「彼自身は特別音楽の才能を示したという記録はないが、彼の音楽的素養は彼の思想の最も根深い基盤となっている。彼の哲学的著作にはしばしば音楽が引き合いにされ、特に遺稿の一つ『雑想』には多くの作曲家たちが語られ、それを読むと如何に音楽が彼の思想の基盤となっているかを知ることができる。」 とあります。
パニチェさん、ザビビのふくろうさん、うましかさんもそう感じますか?
この「雑想」という遺稿は読みたくなりました、と同時に、ますますウィトゲンシュタインに親近感を持ちました。
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