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No21019 の記事


■21019 / )  Re[55]: イメージ
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2022/02/22(Tue) 18:53:30)
    No20975 に「準現在化」っていうのでてきてるけど、「現象学事典」のを書き写しておく。

    《現在化/準現在化/共現在化 
    [(独)Gegenwärtigung/Vergegenwärtigung/Mitgegenwärtigung]
     直観的表象作用はその統握形式に従って、大きく現在化と準現在化とに分けられる。現在化は対象が現に現れること、有体的(lebhaft)に現前していることを表し、知覚の志向的性格であるとされる。これに対して準現在化は記憶や想像や予期を規定し、現にない対象を思い浮かべる事態であり、この意味では、再生(Reproduction)や再現前化(Reprasentation)と同義である。時間講義では原印象とともに現在を形づくる把持や予持は、厳密には現在化ではないが準現在化とも区別されており、共現前化と規定されうる(ヘルト)。デリダを代表として、フッサールが現在化すなわち知覚に優位性を形而上学に前提したことが批判されているが、しかし、本質直観における準現在化すなわち想像の不可欠の役割や地平論の展開に伴う次のような準現在化の新たな規定を考慮するならばこの批判は妥当ではないことが明らかになる。外的対象の与えられ方の地平論的解明によれば、現前しているのはその対象の一側面である射映ないし現出でしかないが、しかし志向的には対象のそのものが知覚されている、すなわちそのつどの現出を通して可能的諸現出(地平)をもつ対象が現出している。地平は対象ごとに既知の類型によって枠づけられているから、現在化にはつねに想起と想像としての準現在化が協働している。たとえば家の知覚において、前面だけの現在化を、背後も内部も調度も住まう人も含む家そのものを構成する準現在化が支えているのである。この意味で共現在化は現在化と一体となった準現在化のことであり、知覚対象は単なる現前(Präsenz)ではなくつねに付帯現前(Appräsenz)なのである。この現在化は、通常の語法と異なる。経験においては私に現前しているのはあくまで家そのものである。他者もまた現前しているが、現象学においてはその人格的生付帯現前が原理的に現在化されえずに準現在化にとどまるのであり、この点で他の事物の知覚とは異なる。他者問題や精神世界解明の困難は身体的所与や情報媒介という間接的な付帯現前にとどまるこの準現在化(思い込み)ないし勝義の共現在化の謎に起因する。フッサールはここに有限な人間にとっての他者の他者性を認めたのであり、他者は私にとって永遠に思い込みとして以外に近づきえないといえないというのである。》

    これからは、
    (23)直観的表象作用はその統握形式に従って、大きく現在化と準現在化とに分けられる。現在化は対象が現に現れること、有体的に現前していることを表し、知覚の志向的性格であるとされる。これに対して準現在化は記憶や想像や予期を規定し、現にない対象を思い浮かべる事態であり、この意味では、再生(Reproduction)や再現前化(Reprasentation)と同義である。
    (24)現前しているのはその対象の一側面である射映ないし現出でしかないが、しかし志向的には対象のそのものが知覚されている、すなわちそのつどの現出を通して可能的諸現出(地平)をもつ対象が現出している。地平は対象ごとに既知の類型によって枠づけられているから、現在化にはつねに想起と想像としての準現在化が協働している。
    を、抽出しとく。

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