□投稿者/ pipit -(2021/11/04(Thu) 10:00:12)
| No18294 > その意味では、かの「限界概念」なるものは、その(「表面(正面)」では許されぬが)「裏面(背面)」には、ある種の積極的なものを秘めているともみられるであろう(「限界」の項参照)。<
カント事典には『限界』の項目もあったので、抜粋引用します。
p151より抜粋引用 『(略) 通常「限界」は、限界づけられる当のものからみられがちであるが、「限界づけるものは限界づけられるものから区別されねばならない」[B543]とすれば、その意味で「経験は自らを限界づけない」。それを限界づけるものは「純粋な悟性的存在者の領域」なのである[Prol.§59]。 それゆえ、「制限(Schranken)」は単にネガティブなものであるが、「限界(Grenze)」は同時にあるポジティヴなものであるとされる[Prol.§57]。 なおN.ハルトマンのいうように、限界には「推移可能(verschiebbar)」なものと「推移不可能(unverschiebbar)」なものがあるとすれば、上にいわれたものは主として後者の種類のものであるともいえよう[「限界」についてはとくに『プロレゴーメナ』§§57-59、「限界概念」については「純粋理性批判』A255/B311を参照]。』 抜粋引用終了。
この項目も伴博先生の執筆でした。
> なおN.ハルトマンのいうように、限界には「推移可能(verschiebbar)」なものと「推移不可能(unverschiebbar)」なものがあるとすれば、<
ここ、面白いなと思いました。
能力の向上や刷新で、 形而上のラインも当事者にとっては変わりうる可能性もあると前から思っていたので。
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