| 2023/05/06(Sat) 12:45:09 編集(投稿者)
IAS(インフレ供給曲線)から展開したい。まず<オーカンの法則>というのがある。失業率と超過総供給の逆相関の関係である。 Y−Yf=−φ(U−Un)
Y:現実の総供給 Yf:完全雇用供給国民所得 U:現実の失業率 Un:自然失業率
Y>Yfのとき、U<Unであり、その意味は現実の失業率が自然失業率を下回ると超過総供給は増えるということを示している。
そうなると賃金は上昇して物価も上昇する。 上式を変形すると π=−φ(U−Un)
π:物価上昇率 つまり完全雇用を超える生産性を維持しようとすると賃金は上昇し物価も上昇するということを意味している。
AS(総供給曲線)において完全雇用水準をこえると、ASの傾きが大きくなり従来のASと新しいAS'との差を物価上昇率πとする。 その物価上昇率πと供給国民所得Yとの関係は右上がりのインフレ供給曲線として示すことができる。
インフレ供給曲線のシフトは次の式で示される。 π=π^e+α(Y−Yf)
π^e:期待(予想)物価上昇率 たとえば物価が10%上昇すると労働者が予測した場合、賃上げ交渉によって賃金上昇したとすれば現実の物価も10%上昇する。 π^eが上昇するとインフレ供給曲線(IAS)も上にシフトする。
合理的期待形成仮説によれば過去何年間の物価上昇率の傾向(トレンド)を踏まえて予想を立てる。(適応的期待) 予想物価上昇率は1期前に実現した物価上昇率に等しい。(静学的期待)
πt^e=πt-1
と仮定する。前期の現実の物価上昇率πt-1が大きく上昇すれば今期の予想物価上昇率も上昇し、従ってインフレ供給曲線(IAS)も上方へシフトする。
長期的にはπ=π^eになって式はY=Yf(垂直)となる。
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