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No36751 の記事


■36751 / )  Re[30]: 時間論の系譜
□投稿者/ rest -(2024/03/09(Sat) 10:54:48)
    2024/03/09(Sat) 10:59:29 編集(投稿者)

    >追記7.「すなわち未来も過去も存在せず、また三つの時間すなわち過去、現在、未来が存在するということもまた正しくない。それよりはむしろ、三つの時間、すなわち過去のものの現在、現在のものの現在、未来のものの現在が存在するというほうがおそらく正しいであろう。じっさいこれらのものは心のうちにいわば三つのものとして存在し、心以外にわたしはそれらのものを認めないのである。すなわち過去のものの現在は記憶であり、現在のものの現在は直覚であり、未来のものの現在は期待である。」(アウグスティヌス著『告白』下p123 岩波文庫)

    > 時間の起源は日時計から始まり、太陽の日周運動を利用して太陽の時角の推移から時刻を定め、影を利用して視太陽時を計測する装置を発明した。そしてエジプト文明においてナイル川の増水や種まき、収穫の時期を予測するため、太陽の年周運動から1年を365日とする太陽暦が作り出された。
    >時間は人類のはるかな祖先が作り出した概念であり、社会的約束事でありルールだということは間違いない。B系列のような実体はない。

    追記8.「ジャネーの法則」というのがある。少年の日は長く、老年の日はあっという間に暮れるという経験則をいう。これを考察してみたい。
     基本的に大事なことはあまり観念論に走らずにしっかりとした現実的土台の上で考えるという姿勢である。現実世界を構成しているのは明確に三次元空間である。その単一の空間内で、すべての事物は変化している。変化には二種類あって、位置変化と状態変化に分けられる。時間は位置変化の規則性を基に造られたものである。具体的には太陽や月そして星の位置変化を基準にしている。たとえば太陽が東から昇るときから、真上にきた時を約六時間とし、同様に西へ沈むまでを約六時間とする。すると太陽の軌道を十二等分すれば、一時間あたりの位置変化がわかることになる。とりあえず太陽の位置変化を基準にそれを測定するものとして日時計というものが発明され、やがて今日のものまで発展してきた。
     つぎに速さの概念について考えたみたい。太陽の位置変化を基に時計が発明されてきたわけであるが、その針の位置変化を速さの測定に使うことができる。すなわちAとBが百メートルを競争して、Aがゴールに達するのに、十秒の位置変化があり、Bがゴールに達するには十二秒の位置変化があったとする。するとAのほうがBより二秒だけ速かったということになり、速さの概念がこのように測定対象の位置変化と時計の針の位置変化の相対比較によって形成されていることがわかる。
     時計の側からみた客観速度というのはこのように測定されるが、逆の場合、時計変化が速いか遅いかの主観的速度というのも存在するようである。これは主観内の意識変化と時計の針の変化の相対比較によって形成される。主観内の意識の変化が激しいと時間は遅く感じられ、意識の変化がゆるやかだと時間が速く感じられる。なにかしていると時間が経つのが遅いが、ボウとしていると時間はあっという間に過ぎてしまう。これは二台の車が走っている場合と同じである。A、Bが並んで一定の速度で走っているとしよう。Bがスピードを上げるとAは段々と遅く走っているように見える。そしてBがスピードを落としていくとAは段々と速さを増していくように見える。Aを時計の針の変化、Bを意識の変化と考えれば同様のことがいえるのである。
     子供のころは、意識の変化が激しいので一時間でも遅く感じられ、老年になると意識の変化がなく単調であるから一時間が速く感じられる。以上が「ジャネーの法則」の説明である。

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