| 2024/03/26(Tue) 06:48:40 編集(管理者)
数年に及ぶ激論が勃発したのは以下の引用とレス。
『扁桃は特定の対象に反応するような遺伝子配列になっていて、まるで構造自体のなかにその対象の表現を持っているようである。霊長類の場合は、もぞもぞはいまわる虫や、高い場所、それにある種の動物に恐怖を感じるようになっていて、「ヘビ+危険」という概念が生まれる前から組み込まれている。(リタ・カーター著、養老孟司監修 脳と意識の地図形)』
「上記のことを知っているにもかかわらず獲得形質遺伝を認めないネオダーウィニストは、論敵である創造論者と同じようにドグマチックではないか?」という旨の投稿をし、ネオダーウィニズムを支持している月蛇からの猛反発を受けた。
ネオダーウィニズムというのは遺伝学(突然変異)と自然選択説を進化の原動力とした現代進化論の主流の学説あるいはフレームワークである。
分子生物学のセントラルドグマを根底としており、獲得形質遺伝を否定している。 セントラルドグマとは遺伝情報はDNA→複製→DNA→転写→RNA→翻訳→タンパク質の順に一方通行で伝達されており、その逆の流れはないという分子生物学の基本原則。
つまり生後の経験によって獲得したり学習した形質(形体や性質)は遺伝情報に伝達されないということ。
ランダムな突然変異(遺伝子情報の伝達エラー)の中でたまたま生き残りに優位な変異を有した個体の子孫が生き残り種の主流となっていくことで進化が生じるという発想。
高いところの木の実を食べようとすることでキリンの首が長くなったということではなく(これは獲得形質遺伝を認める発想)、たまたま首が少し長く生まれた個体が他の個体よりも優位になり(低いところの木の実が食べ尽くされた森林においては首の長い個体の餌が豊富になり)その子孫が拡散していくという学説。
たまたまのランダムな変異で霊長類の天敵である「もぞもぞはいまわる虫や、高い場所、それにある種の動物(蛇や猛禽類)に恐怖を感じる(恐怖を発動する)遺伝子配列が形成されるなんてことはありえないと考えるのが普通の発想であって、この手の反証例になるかもしれない脳科学の知見を知っても頑なに獲得形質遺伝を否定し続けるスタンスは科学に真摯に向き合っているとは言えず、宗教のドグマを信じて疑わない創造論者と変わらないのではないか?ということを主張した。
これに対する月蛇の反論は次回。
PS.おくたがわさんへ。私の記憶違いがあれば遠慮なく指摘して下さい。 ちなみに、おくたがわさんはこの激論に巻き込まれてしまった被害者です。^^
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