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■37461 / inTopicNo.1)  Re[60]: 君主道徳と民度
  
□投稿者/ akaimi -(2024/06/08(Sat) 16:53:30)
    パニチェさん、こんにちは!
    レスありがとうございます。

    No37459に返信(パニチェさんの記事)

    > 立場上、ヤミ米に手を出すことなく餓死した山口良忠判事もそうですが。。。
    > 然るべき志を伴った命賭けの行為は決して批判したり否定されるものではないと思います。

    ほんとそうですね。
    ご家族もいて葛藤もおありだったと思います。
    それでも法を遵守することを自分には課されました。

    > でも最近よく思うのは、法令以前に倫理道徳やこれに根差した他者への思いやりやマナーがあることを一部のバカどもは分かっていないということです。
    >
    > 酒酔い運転や酒気帯び運転が厳罰化されなければ事故が減らなかったり、何でもかんでも法律や条例によって禁止しなければ愚行が横行したり情けないかぎりです。
    >
    > でも理想ばかり言っても仕方ないので、私はゴミやタバコのポイ捨て、自転車の目に余る運転等々、迷惑行為は厳罰化し警察が取り締まればいいと思っています。
    > バカは自分にふりかかる痛みを与えなければ治らないでしょう。

    いろいろなマナーを厳格にではなくとも一定は守る生活をするほうが自身にとっても快適なのではないのか、と思うのですが、目先の快や楽にとらわれてしまうばかりの人もいますね。

    > その一方で多くの善良な日本人はニーチェを知らなくても君主道徳に沿った言動をしていると思います。
    > 法令とか誰かに強要されるまでもなく自らの意志によって自分を律しています。
    >
    > それが他国にない日本の民度であって欲しい。

    資源の乏しい日本ですが、精神性が高い、自律心のある国民性が外国からも模範になるようであるといいですよね。
    私も自律しなければ!


引用返信/返信 削除キー/
■37459 / inTopicNo.2)  君主道徳と民度
□投稿者/ パニチェ -(2024/06/08(Sat) 09:53:04)
    おはようございます、akaimiさん。横レス失礼します。

    立場上、ヤミ米に手を出すことなく餓死した山口良忠判事もそうですが。。。
    然るべき志を伴った命賭けの行為は決して批判したり否定されるものではないと思います。

    でも最近よく思うのは、法令以前に倫理道徳やこれに根差した他者への思いやりやマナーがあることを一部のバカどもは分かっていないということです。

    酒酔い運転や酒気帯び運転が厳罰化されなければ事故が減らなかったり、何でもかんでも法律や条例によって禁止しなければ愚行が横行したり情けないかぎりです。

    でも理想ばかり言っても仕方ないので、私はゴミやタバコのポイ捨て、自転車の目に余る運転等々、迷惑行為は厳罰化し警察が取り締まればいいと思っています。
    バカは自分にふりかかる痛みを与えなければ治らないでしょう。

    その一方で多くの善良な日本人はニーチェを知らなくても君主道徳に沿った言動をしていると思います。
    法令とか誰かに強要されるまでもなく自らの意志によって自分を律しています。

    それが他国にない日本の民度であって欲しい。

引用返信/返信 削除キー/
■37454 / inTopicNo.3)  Re[58]: ヤミ市とヤミ米、法律
□投稿者/ akaimi -(2024/06/07(Fri) 12:49:14)
    2024/06/07(Fri) 12:59:35 編集(投稿者)

    >>職業倫理に忠実であろうとしてヤミ米を買わずに配給米だけでしのぎ、そのために栄養不足から亡くなられた判事の方もいらっしゃいますね。
    ドラマでもこの方をモデルにした配役があるようです。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E8%89%AF%E5%BF%A0


    山口良忠さんという佐賀出身の裁判官(判事)で、今日の分の放送でこの方をモデルとする配役の人の訃報を知り法曹界の人々がショックを受ける場面がありました。
    食糧管理法をもとにヤミ食糧を売買する人々を裁く仕事に就いている自分がヤミ食糧を口にはできないという倫理観を貫き衰弱して亡くなられたようです。

    少し調べたところによると、大量の米をヤミで仕入れ利益をあげようとする人々は検挙され裁かれたけれど、どんどんと少なくなる配給品だけでは生きていけないという理由でヤミ食糧を購入する人々についてはおおよそ見逃されていたようです。
    数が多すぎて検挙できる数ではないというのもあったでしょうし、暗黙の了解といったところもあったのだと思います。
    そうでなければヤミ市はありえなかったでしょうし、形式的ともいえる形での摘発はあったのかもしれませんが見逃されていたのでしょう。


    米不足は太平洋戦争以前から顕著にあったようです。
    出生数増加による人口増で米はもともと不足していて、統治下にあった朝鮮から米を運び入れていたけれど、日中戦争の頃には燃料不足もあり運び入れができなくなっていたところに太平洋戦争が始まり耕作者・肥料不足などにより作付けができなくなり備蓄もどんどんと枯渇していったのですね。
    そこで食糧管理法により米を中心とする食糧の管理に政府が介入し、米を買い上げる制度ができたということです。

    米を政府が買い上げる制度は、米の消費量が減少し農家に減反政策が迫られるようになる時代まで続きました。
    日本は人口減少が続きますし戦後のような米不足にはならないとは思いますが、夏の高温が進めば安心ばかりもしていられないかもです。
    食糧自給率の低い日本は、世界的な異常気象による外国からの輸出減も見越す必要がありますね。

引用返信/返信 削除キー/
■37423 / inTopicNo.4)  ヤミ市とヤミ米、法律
□投稿者/ akaimi -(2024/06/03(Mon) 12:30:54)
    出征した夫を亡くし悲しみにくれるヒロインが、ヤミ市で白っぽいお酒(どぶろく?)と焼き鳥を買うのだけれど(鶏肉は以前にへこんでいる妻を励ますために二人だけで食べた思い出の食べ物)、いざ目の前にお店の人が出してくれると辛くなって食べられなくなり、そのまま置いて去ってしまった。
    それに気づいた女性店主が焼き鳥を新聞紙で包んで、ヒロインを追いかけて持って来てくれた。
    思い出の河原で新聞紙を開け焼き鳥を食べ、何気なく新聞に目を落とすとそこには新しい憲法が印刷されていて、法律の道から離れていたヒロインがまた法律を仕事としていこうと後押しをされる場面があった。(「虎に翼」より)

    ヤミ市というのは終戦後を舞台にしたドラマなどによく出てきます。
    ヤミというからには本当は違法だけれど必要に迫られての取引が行われていて、売っているものの価格も、そもそも仕入れ値も高い、高くても売れるなどの理由により吊り上げられていたようです。
    都会の人々が列車の窓からあふれんばかりに乗り込み、地方に野菜や米を買い出しに行く様子も取り上げられてきました。


    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9F%E7%B3%A7%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%B3%95#:~:text=%E9%A3%9F%E7%B3%A7%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%B3%95%EF%BC%88%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%82%87%E3%81%86,%E6%97%A5%E3%81%AB%E5%BB%83%E6%AD%A2%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%80%82


    食糧管理法という、太平洋戦争最中の1942年(昭和17年)に制定され1995年(平成7年)まで続いた法律により、食糧の生産・流通・消費に政府が介入する政策が取られていて、これはおそらく制定当初の目的としては戦地に多くの食糧を送る目的で導入された経緯もあるのかな、と推測しています。
    戦前戦後、政府が買い上げた米などの食糧を配給として人々に分配していたものの、それだけでは到底不足するし、配給もどんどんと少なくなり餓死してしまう人々も多かったそうです。
    貧困者はヤミの食糧を入手することも困難だったでしょうし、飢えに苦しみ亡くなられた方々が多数いらしたことを思うと辛いです。

    職業倫理に忠実であろうとしてヤミ米を買わずに配給米だけでしのぎ、そのために栄養不足から亡くなられた判事の方もいらっしゃいますね。
    ドラマでもこの方をモデルにした配役があるようです。

    次回もう少しこのあたり調べて書いてみようかなと思っています。

引用返信/返信 削除キー/
■37319 / inTopicNo.5)  Re[56]: 虎に翼
□投稿者/ akaimi -(2024/05/17(Fri) 21:14:31)
    2024/05/17(Fri) 21:16:00 編集(投稿者)

    田秋さんの虎に翼についてのご投稿を拝見しました。
    ありがとうございますm(_ _)m

    権力の一極集中化を避けるためにも法は大切なものですね。
    国を相手どる裁判で国民が勝訴するなんていうのは大昔にはありえないことでした。


引用返信/返信 削除キー/
■37256 / inTopicNo.6)  Re[55]: 虎に翼
□投稿者/ akaimi -(2024/05/06(Mon) 12:49:34)
    2024/05/06(Mon) 12:56:48 編集(投稿者)

    虎に翼という言葉、おそらく出典は古代中国の思想家の誰かの言葉で、「鬼に金棒」的な意味合いなんだろうな、って想像してて。
    少し調べてみたところ韓非子からなのだそうです。


    https://getnews.jp/archives/3293933


    「虎のために翼をつくることなかれ」とあるそうで、もともとは愚かなものに権力を持たせることを諫める言葉だったのだそうです。
    現代ではやはり、強さに強さを加える「鬼に金棒」の意味で使われているそうです。
    現代では良いほうの意味合いで使われるように変化したのですね。

    ドラマではヒロインの名前が寅子(ともこ)なのと、翼は法律の意味としてタイトルにしたのかな、と想像しています。


    ヒロインの父が拘留され自白を強要され後に無罪釈放になった共亜事件は、実際に昭和10年頃にあった帝人事件をモデルにしているそうです。
    株取引をめぐる贈収賄事件で、大臣を含む16人が逮捕され後に無罪となった事件で、時の内閣が総辞職に追い込まれた事件。

    今日観た中で印象に残ったのは、日本の統治下に当時あった韓国からの留学生の女性が兄と家で食事をする場面で、片膝を立てて食べているところです。
    とても淑やかな女性で家では行儀がよくないとして描くとしたらへんだなぁ、と思い調べてみたら、その頃の韓国では、民族衣装のチマチョゴリの裾を美しく見せるためにそのように座っていた、と知りました。
    あの座り方はどうしてなのだろう?と関心をもってもらいたいという演出だったのかも。


    虎に翼、これまで知らなかったことに触れられつつ楽しめてます。
引用返信/返信 削除キー/
■37196 / inTopicNo.7)  虎に翼
□投稿者/ akaimi -(2024/04/28(Sun) 07:56:26)
    「さよーならまたいつか!」米津玄師

    https://www.youtube.com/watch?v=-wb2PAx6aEs


    朝ドラ「虎に翼」の主題歌。舞う回るような軽いメロディが気に入ってます。
    PVで米津さんがおさげ髪で真っ赤な服なのは、ドラマの女性たちへのリスペクトの意味もあるのかな、と想像したり。

    「虎に翼」は、昭和8年頃からの物語。
    日本で初めて弁護士、裁判官になった実在の女性をモデルにしたドラマです。
    ヒロインが偶然に傍聴した民事裁判で、夫が離婚に応じようとせず、それだけでなく妻が結婚の際に持参していた大切な母からもらった着物を返そうとしなくて、それを法律でどう取りもどすか、裁判官も頭を悩ます場面が最初の頃にあってドラマに引き込まれました。
    当時、妻の私的財産というものはなく、妻が結婚に際して持参したものでも夫が管理するものと法で定められていたそうなんです。
    現代の感覚では考えられないですよね。
    裁判官の判決は、「夫は嫌がらせのために着物を返却しないという権利の濫用をしていて、それは現法での権利範囲から逸脱しているので妻に返却しなさい」というものでした。
    虐げられている人を法で助けたいという思いがヒロインの中で決意となった場面でした。

    大学で法律を一緒に学ぶことになった女性の中には、貧しい農家で親に身売りされそうになり逃げてきてカフェーでボーイをしながら学んでいる女性や、弁護士夫人でモラハラ夫から子どもの親権を取るために学んでいる女性もいます。
    このあたりはフィクションですが、昭和初期には親が娘を身売りするというのがまだあったのは本当ならしいです。

    それから最近、共同親権が議論にあがってきているのでタイムリーです。
    共同親権が権利の濫用になってしまうのではないか、という恐れもありつつ養育費の支払いの義務化とセットになればという期待もあるようです。


引用返信/返信 削除キー/
■37144 / inTopicNo.8)  Re[53]: ストア派
□投稿者/ akaimi -(2024/04/20(Sat) 07:38:35)
    悪魔ちゃん、おはよー。
    投稿ありがとうございます(*^-^*)


    No37142に返信(悪魔ちゃんさんの記事)

    > >「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」とを分け、「我々次第ではないもの」については考えない、触れないというエピクテトスの考え方<
    >
    > <「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」とを分け>たとき、
    > その間にいるのが〈我々〉っていうんじゃないかな〜、って。
    >
    > あ、ストア派、<考えない>、だから、「我」になるのかもだけど、
    > わたしの用語では「我」じゃなくて「私」って言った方がいいかな。


    「我々次第であるもの」「我々次第ではないもの」の「我々」は、「自分」と変えて表現してみても意味は通じるものなんです。
    訳する時、「我々」がふさわしいのでそれになったのかな、って想像しますよ。

    それで、「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」の違いをちょっと具体的に例を出してみますね。

    台風が来るっていうのは「我々次第ではないもの」です。
    気象は人間には変えられないので。
    台風に備えて雨戸を付ける、のは「我々次第であるもの」です。

引用返信/返信 削除キー/
■37142 / inTopicNo.9)  Re[52]: ストア派
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2024/04/19(Fri) 19:07:17)
    akaimiさん、お邪魔しま〜す。

    >「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」とを分け、「我々次第ではないもの」については考えない、触れないというエピクテトスの考え方<

    <「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」とを分け>たとき、
    その間にいるのが〈我々〉っていうんじゃないかな〜、って。

    あ、ストア派、<考えない>、だから、「我」になるのかもだけど、
    わたしの用語では「我」じゃなくて「私」って言った方がいいかな。


引用返信/返信 削除キー/
■37141 / inTopicNo.10)  Re[51]: ストア派
□投稿者/ akaimi -(2024/04/19(Fri) 15:17:25)
    2024/04/19(Fri) 15:34:34 編集(投稿者)

    パソコンを久しぶりに開けたら動きがとても遅い。。。
    なんとか開けました。

    ストア派、自分なりの簡単なまとめを。

    これまで触れていませんでしたが、ストア派の人々は占いを信じていたようです。
    ストア派だけではなく逍遥派とあと忘れましたがなんだったかの派の人々も信じていたそうです。
    現代の感覚では哲学と占いは相いれないものに感じるけれど、科学の発展していない古代には先々を予測するツールとして信用され重宝されていたのでしょう。

    未来は今現在の時点で既に決まっている、のだとしたら、占いによって未来を知ることができるのならそしてそれが信用に値するものだと考えるなら、占いにより未来を知りたいとストア派の人々も考えたのかもしれません。


    さて、ほんとうに未来は今の時点で既に決定しているのでしょうか。
    占いというツールを用い未来を知り、その未来を変えようとすることも起きると思うのですが。
    むしろそうするために占いを使用していたのかなぁ。。
    それとも、占いの結果を神聖なものとして受け止め運命に逆らことはよしとはされなかったのでしょうか。

    後者のあり方もストア派の考え方としてはあったのだろう、と思わせる文章があります。

    ===
    「もしも私が、宿命によっていま私が病気になるように決定されていると知ったなら、そうなることへの衝動をもちさえしただろう。」

    (エピクテトスの『語録』に引用されたクリュシッポスの言葉、と注釈p14にあります。)

    ===
    『ストア派』ジャン=パティスト・グリナ 著 川本 愛 訳 p97より引用

    「衝動をもちさえしただろう」とあり、定められた宿命に沿う生き方をすることが時に自分に不利益であろうともそれを受け入れることがストア派の人々にとって美徳ともいえたのかもしれません。

    私はそうした衝動はもたないなぁ(;^_^A

    「我々次第であるもの」と「我々次第ではないもの」とを分け、「我々次第ではないもの」については考えない、触れないというエピクテトスの考え方はとても参考になりました。

    といったところでストア派、終わります。


引用返信/返信 削除キー/
■37037 / inTopicNo.11)  Re[50]: ストア派
□投稿者/ akaimi -(2024/04/07(Sun) 09:53:15)
    スマホから手短な追加。

    クリュシッポスも宿命論と自由意志を共存させるために考えてはいたらしいです。
    宿命論だけではあまりにも虚しいですしね。

    自然本性は各人に宿命として備わっていて、選択も自然本性に応じたものがなされるけれど、自然本性次第によってなされるということは、徳を身につけるなどにより自然本性そのものを変化させることにより選択も変化していく、というような考えだったのかな。
    例えば円錐も転がりにくい徳を身につけることにより転がりにくくなる、というように。


引用返信/返信 削除キー/
■37035 / inTopicNo.12)  Re[49]: ストア派
□投稿者/ akaimi -(2024/04/07(Sun) 07:12:10)
    2024/04/07(Sun) 16:10:54 編集(投稿者)



    ストア派については終了と思ったのですが、自分の勘違いしていた部分に気づいたので仕切り直しです。

    No37015で私は

    >>p96に、
    ===
    衝動と同意は、「私たち次第である」。なぜなら、「同意は表象によって引き起こされないかぎりは生じることがない」(表象は「外的な刺激」として働きかける)のだが、この表象は、同意の先行的な原因であり完全な原因ではないからである。
    ===とあります。

    上の例でいえば、「どこかが痛くなった」というのが表象で、その時に「医者を呼ぶ」あるいは「医者を呼ばない」という選択をするのが衝動と同意になるのだと思います。
    そして衝動と同意は「私たち次第である」と。<<

    と投稿しました。

    私は、クリュシッポスもエピクテトスと同じように「選択」は自分の意志により都度に可能なのだと考えていたのだろう、と思っていました。
    でも違うようです。

    p96に円筒と円錐を譬えとしてクリュシッポスが語ったことが書かれています。
    ===
    これらのものは押されなければ運動しないが、「押されて動きだしたとき、その後に円筒が転がり円錐が回転するのは、自分自身の自然本性によるのである。」さらに続けて彼が言うには、「同意はちょうど円筒の場合のように、外から引きおこされるが、その後に自分自身の力と自然本性に従って動くだろう」
    ===

    考察してみます。
    円筒、円錐、それから四角柱をそれぞれ人間の譬えだとするとわかりやすいです。
    ゆるい坂でそれぞれが押されたとして、円錐と円柱は転がっていくけれど四角柱は容易には転がってはいきません。
    それはそれぞれの人間の自然本性が転がりやすいか転がりにくいかにより違ってくるのだ、ということだと思います。

    そして、円錐と円柱のように「押される」と「転がる」、四角柱のように「押される」けれど「転がらない」はそれぞれに宿命づけられていて、それはそれぞれの持つ自然本性によるのだ。

    つまり、各人の「選択」もその各人の自然本性由縁のものとして宿命にセットされている、そして、各人の宿命というのも宇宙の摂理から起きてきている。
    自分で選択していると見えても宿命に従っているのだ、ということ。


    >>「もし病気から快復するのが君の宿命なら、医者を呼んでも呼ばなくても、君は回復するだろう。だがもし回復しないのが君の宿命なら、医者を呼んでも呼ばなくても君は回復しないだろう。
    >>しかるに君の宿命は回復するかしないかのどちらかである。
    >>したがって、君が医者を呼ぶのは無駄である。」
    >>===p95より
    という質問に対して、

    >>===
    >>私たちが医者のおかげで回復するということと、私たちが医者を呼ぶことは「一緒に宿命づけられている」と述べた。
    >>===p95より
    と答えたというのは、

    その人にとって、「医者を呼んだので回復した」がセットで宿命づけられていた、と言いたかったようです。
    その人にとってはその場合にそれ以外の宿命はなかった、と。

    映画やドラマのストーリーがあらかじめ決められているように、各人のところでは自然本性としての宿命が働いている、ということなのでしょう。
    筋書きは絶対に変わらないドラマを演じている私たち、といったところでしょうか。


    そういえばエピクテトスも、
    「どういう配役を与えられるかは自分では決められない、各人はその役を精一杯していくだけだ」というようなことを語っていたのです。
    しかしエピクテトスの場合は、どういう選択を都度にするかはその人に任されているとも語るので、ストーリーは変化しうる・・・完全な宿命論ではないと思います。

引用返信/返信 削除キー/

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