| 2024/01/08(Mon) 15:23:40 編集(投稿者)
ESDはこれから地域や地球の課題解決を担う人材を育てる。一方そのような様々な課題を地球規模で解決するために17のゴールと169のターゲットを設定して作られたのがSDGsである。ESDによる人材育成はSDGs達成に大きく関わっており、こうした人材によって地域・地球の諸課題を解決することがSDGsの目標達成に繋がる。その結果として2030アジェンダが描く「誰一人取り残さない持続可能な社会」の実現がある。
1987年のブルントラントレポートで持続可能な開発が定義された。この開発を実現するためには教育が重要な役割を果たすと認識され、持続可能な開発のための教育、ESDが提案された。この時期SDGsはおろかMDGsもまだ始まっておらず、ESDはサスティナブルの先駆けと言える。1992年の地球サミットでアジェンダ21が採択されESDの重要性が指摘された。2001年にMDGsが開始され、2005年にESDの国際実施計画が承認されESDの10年がスタートした。2016年にはMDGsの後継プランSDGsが始まり、同時に始まったGAPを経て2019年SDGs実現に向けたESD 、即ちESD for 2030が採択された。
ESDはSDGsの目標4のみではなく持続可能な社会の担い手づくりを通じて17すべての目標の達成に貢献する。それはグローバルな世界目標であるSDGsと地域に根ざした身近なESDの活動がつながっていることを意味する。さらに言うならESDの推進がSDGsの達成の原動力として働く、ESDはいわばSDGsの17の目標の中心にあるエンジンなのである。
ESDには少子高齢化・環境問題・防災減災等さまざまな課題解決に貢献するという側面と、学校教育の充実や教育環境、社会家庭教育の充実等、教育そのものの質を高めるという側面がある。この二つを融合することにより持続可能な社会の担い手を育成するのもESDであり、そのためにSDGsとESDの相乗効果を最大限に発揮するような教育活動が期待される。
ESDとSDGsの根底には、人間が今まで持続不可能な開発を行ってきた、或いは行ってきたかもしれないことへの深い反省がある。その反省に立ち、人間は未来の地球と地球上の全てに対する責任を自覚し、持続可能な開発を行わなければならない。しかも人間には既にそれほど時間の余裕がないかもしれないのである。
|