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■22367  永遠平和のために
□投稿者/ みのり -(2022/04/12(Tue) 10:19:41)
    カントは、晩年の著書『永遠平和のために』で、人間にとって永遠平和は自然状態ではなく、また、戦争を好む傾向が人間に生まれつき備わった特性のように思える、ということも述べているそうです。

    そのため、自然状態では発生しやすい敵対行為を取り締まる法律が必要となるが、そうした法律は、国民主権を基礎とした国家において作成されたものであることが肝要となる、このようにカントは考えたようです。

    絶対王政下では、国土、人民は王の持ち物だったのを、カントは、「国家は人間が集まって結成したもの」という考え方に移行させるべきとし、法律という契約を人間同士で締結し、自らの自由と尊厳を自分たちで遵守していく、そういうあり方を理想としたのだと考えます。


    「常備軍はいずれ全廃すべきである」という章が『永遠平和のために』の中にあるそうで、この「常備軍」と言うのは絶対王政下で王に雇われていた傭兵のことなのだそうです。
    自国を守るために国民が自ら軍隊を組織することについては認めていた、のだそうです。
    他国からの侵略に備えて国民たちが自ら自分たちを守るために備えておくことについては賛同していた、ということになるのだと思います。
    このあたりついては、たんなる理想論が語られる内容ではなく、現実に即した考え方をカントがしていたということがうかがわれるのでしょう。


    カントはまた、植民地支配について批判していたそうです。
    国家とはその土地に根差した人々が集まって結成されたものであり、他の国家の所有とされてはならない、と考えるカントにとって、植民地支配は相いれないものだったのだろうと書かれています。


    カントが平和実現を希求して書物に残してくれたものは、後の国際組織の結成や、民主国家の法律に多大な影響を与えたとされますね。
    しかし、その願いもなかなかかなわず、以降も列強と呼ばれた各国は植民地を求めて、日本でいうと明治から昭和前半の時代までその政策は公然と行われてきた部分もあります。


    5歳ぐらいの時、テレビで観たベトナムの少女の悲痛な少女の表情にくぎ付けになって以来、言い古された言葉ではありますが戦争の悲惨さについては事あるごとに考えさせられてきました。
    今回読んでいる「NHKブックス100分de名著 カント 永遠平和のために」の第1章を読んでそれをもとにまとめさせていただきました。
    続きについてもそうさせていただこうかな、と考えています。

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