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No17600 の記事


■17600 / )  Re[4]: お借りしました。
□投稿者/ パニチェ -(2021/10/16(Sat) 09:13:49)
    2021/10/16(Sat) 09:26:34 編集(投稿者)

    おはようございます、みのりさん。

    No17581に返信(みのりさんの記事)

    > >3.221 私は対象を名指すことしかできない。記号がそれを代表する。私は対象について話をすることができるだけで、対象を表明することはできない(論理哲学論考より)。

    > 命題は、ものがいかにあるかを語りうるだけで、それが何であるかを語りえない。<
    > この部分が、〈私〉は、言葉で表現しつくすことは不可能である、にも通ずるように感じました。
    > そして。 おそらくですが、〈私〉のみならず、世界のすべてのものについても同じように言えるのだろう、と考えます。
    > 例えば、林檎、秋、テーブル、月・・・・こうした様々なものについても、
    > 「○○がそこにある」のように会話したり、文章化したりはいくらでも可能だけれど、林檎、秋、テーブル、月・・・・このようなものについての本質を言語化することは不可能だと、そういうことなのではないか、と考えています。
    > パニチェさん、こういうので合ってますか?

    もったいつけるわけではないのですが、ウィトゲンシュタインは一筋縄ではいかないんですよねぇ〜。

    生前にウィトゲンシュタイン自身が出版した哲学書は「論理哲学論考」の1冊だけであり、その他の「青色本」、「茶色本」、「哲学探究」「確実性の問題」などは生前に書き記した講義ノートや原稿などをもとに死後出版されました。現在も専門家によって研究が続けられ、解説書の著者によっても解釈や見解が異なるところも多々あり、論考ひとつをとってもさまざまな解釈があります。

    さらに前期「論考」で展開された写像理論(世界と言語を対比させた言語論)は破棄した上で(破棄していないという専門家もいるようですが)、後期「探究」の言語ゲーム(言葉の意味は使用や用途、文脈や生活習慣や文化までも含むコンテキストにあり、使われ方によって新しい意味や変更がなされていくような日常的ゲーム)を考察しているので厄介です。
    前置きが長くなりましたが。。。。

    3.221は3.203(論考では数字が小さい方が上位の文となり、それを後の文で註釈するスタイルをとります、よって3.221は3.2以降にある文の註釈になります)の「名は対象を意味する。対象が名の意味である」を前提とした写像理論上にあり、対象が名の意味であるなら「私は対象について話をすることができるだけで、対象を表明することはできない」という意味になりますので、みのりさんの「本質を言語化することは不可能だ」ということも含まれます。

    但し、前期の語りえないものは写像理論を前提とした世界の外にあるものですから、〈私〉が世界外に位置することを考えれば同類の語りえないものではないと思います。
    ウィトゲンシュタインは解説書や訳本でも参考にしながら読み解いていかないと、なかなか一筋縄ではいきません。^^;

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