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No17566 の記事


■17566 / )  Re[33]: 語り得ぬものなど
□投稿者/ おくたがわ -(2021/10/15(Fri) 00:41:19)
    2021/10/15(Fri) 07:24:04 編集(投稿者)

    No17493に返信(パタキさんの記事)
    田秋さん、こんばんは

    > >4.1212 示されうることは、語られることができない。
    > 単純に「示せるものは語れない」と読んでいいんですか?

    Amazonの読み放題に入っていたので(光文社古典新訳文庫「論理哲学論考」)、その近辺と付録の野家啓一氏講義(?)を読んでみました。それで、ウィトが「語れず示せる」としたものは2種類に分けられるらしく、4.1212で扱われているのは、
    パニチェさんご紹介のwikiの中では
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%96%E7%90%86%E5%93%B2%E5%AD%A6%E8%AB%96%E8%80%83

    > 或る一つの像が或る一つの事実を映す為には、この像は、何らかの形で、その事実と同じ論理構造を保有していなければならない。こうして、言語表現をある種の幾何学的投影とみなすことができる。そこでは、言語はさまざまに投影された可変的な形式にあたり、その言語表現の論理構造は変化しない幾何学的な関係にあたる。
    > 複数の論理構造の間で、何が共有されているかを、言語によって語ることはできず、ただ、示すことしかできない。われわれの使用している言語は、こうした関係に依存しており、その為に、われわれは、言語の外に言語によって出ることはできないからである。

    この「論理構造」の方のことのようです。

    光文社文庫版から引用しますと、
    『 4.12 命題は、現実全体を描くことができる。けれども描くことのできないものがある。それは、現実を描くことができるために、命題が現実と共有する必要のあるもの――つまり、論理形式である。
    4.121 命題は、論理形式を描くことができない。論理形式は命題のなかに映っている。 言語のなかに映っているものを、言語は描くことができない。 言語のなかで自分を表に現わしているものを、私たちは言語を通しては表現することができない。 命題は、現実の論理形式をしめす。 命題は、現実の論理形式を提示する。
    。』

    個人的に興味がわいたので「共有されている論理形式は語れない・示せる」の意味を理解したく、その辺りしっかり読んでみようと思っています。

    あと、
    「示されうることは、語られることができない」は言い換えると
    「語られうることは、示されえない」(上の命題の対偶)つまり
    「語られえないことだけが示されうる」
    つまり、語れることと示せることは、かぶる部分がないのですね。
    この辺も、なぜそうなるのかを知りたいと。


    なお、語れないもう一つは、『「倫理、善と悪、美、主体、意志、神」といった神秘的あるいは形而上学的なもの』ということのようです。(野家啓一氏講義から)
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