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No14473 の記事


■14473 / )  量子力学と観測問題
□投稿者/ パニチェ -(2021/06/27(Sun) 09:12:00)
    2021/06/27(Sun) 15:20:48 編集(投稿者)

    No14464に返信(マジカルモンキーさんの記事)
    >  ★ 誰かニークラ女子に量子学をわかりやすく教えてあげてやってくれ ★

    以下、私の解釈を述べますが訂正があればどなたかお願いします。

    電子によるダブルスリットの実験では電子は到達したスクリーンには粒子のように一点の痕跡を残す。
    この実験を繰り返し行う(繰り返し電子銃から電子を発射し続ける)と、その痕跡が全体として徐々に縞模様を描いていくということ。

    これはどういうことか?
    何故、発射された電子は前後の電子とは何の関わりもないにもかかわらず、全体として縞模様を描くのか?
    電子の運動を波動(波動関数)として記述すれば、波の特徴でもある干渉として実験との辻褄が合う。
    私たちが電子を観測した際に、電子がどこに位置するかの存在確率(存在確率密度と比例)が波のように広がっているというボルンの解釈(確率振幅)が主流となる。

    運動が波動で観測すれば粒子になる?
    人間が観測することによって観測対象である電子の存在様相が変化する?
    そもそも波動とは空間に広がる運動であり、粒子のような特定の位置に局在する運動とは相容れないのではないか?
    これはどういうことか?
    これが量子力学の(科学哲学的な)観測問題。

    「それはおかしい!」と異を唱えた代表がアインシュタイン。
    アインシュタインは「月は私たちが見ていようが、見ていないに関係なく存在する」という素朴実在論(観測対象は人間の意識とは無関係に存在する)を信念としており、量子力学に存在確率が入り込んでいたり、我々の意識(観測行為)が観測対象の存在様相に変化を与えるかのような実験結果は観測の精度の問題であって、我々が未だに発見していない『(隠れた)変数』のためだと主張する。

    これに対してボルンの確率解釈を受け入れた量子力学の主流派『コペンハーゲン学派(コペンハーゲン解釈)』を代表するボーアは観測された事実のみを物理学の俎上に載せるべきであり、我々が観測していない対象や存在様相まで俎上に載せるべきではないという実証主義(批判的な表現を用いれば道具主義)を主張する。

    アインシュタインvsボーアの論争は繰り返されたが、アインシュタインがEPR(非局所的長距離相関)パラドックスという思考実験を持ち出し、これがベルの不等式によって「隠れた変数理論」は否定され(D・ボームによれば量子以下スケールに『隠れた変数』の余地は残されているとのこと)、現時点ではボーアに軍配が上がっているが、未だに『隠れた変数理論』はD・ボームなどの物理学者によって研究されており、観測による波束の収縮を排除する代わりに観測するごとに世界が分岐するという『多世界解釈(エベレット解釈)』もある。

    ところがこの決着に関する研究は実用性が極めて少ないこともあり、研究費が確保できないこともあり、進展していない。
    シュレンディンガーの猫は現在も未解決であり、主流派の『コペンハーゲン解釈』に従えば観測以前の猫は死んだ猫と生きた猫が共存している状態にある(『多世界解釈』では生きた猫と死んだ猫の世界に分岐する)ということになる。

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