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No14356 の記事


■14356 / )  Re[18]: ニーチェ
□投稿者/ パニチェ -(2021/06/23(Wed) 09:26:53)
    2021/06/23(Wed) 09:28:54 編集(投稿者)

    おはようございます、みのりさん。

    No14352に返信(みのりさんの記事)
    > ニーチェについて、入門書を読みながらまとめるというのをしてきました。
    > 軸となるテーマに沿って、パニチェさんがアフォリズムを引用してくださり、とても勉強になりました。
    > あらためてありがとうございました。

    こちらこそ、ありがとうございました。
    あらためて調べたり、確認したり、私もニーチェついて考える機会になり感謝です。

    > ニーチェについて漠然としか知らなかった頃(今もほんの少ししか知らないけど)、
    > なぜそんなに反キリスト教なのだろう?というのが疑問でした。
    > 今、あくまで私が思うのは。
    > やはり、牧師の子として生まれ、キリスト教信仰に基づく厳格な教育のもとで育ったニーチェだったからこそ、彼にとっては「殻」のように感じられたキリスト教を批判的に見ることが、力への意志そのもので生きるためには必要だったのだろう、ということです。

    > 『生きるための哲学 ニーチェ[超]入門 白取春彦 著 のカバーの帯に、

    > 「悪人も、不幸な者も、はみ出し者も、自分の哲学、自分の太陽の光を持つべきだ。」
    > というニーチェの言葉があります。

    > この言葉にはニーチェの人間への愛を感じます。

    同意です。甘ったるい愛ではなく、厳しくも愛に満ちた、日本の家庭にもかつてあった古き良きパターナリズムを思い起させます。
    菩薩が母性的な愛であるのに対して、明王が父性的な愛であるかのような。。。

    > しばらくニーチェはお休みして、それから主著である『ツァラトゥストラ』の訳本を読もうと思っています。

    ここまでニーチェのことを知ったなら、訳書はまず主著である『ツァラトゥストラ』を質問されれば勧めたいと思ってました。
    ツァラトゥストラを読まれる時にはまた教えて下さい。

    余計なお世話ですが訳注が最も充実しているのはダントツで「ちくま学芸文庫」ですが、上下巻に分かれていることもありちょい割高にはなります。

    訳も白水社版に次いでなかなかのものです。
    参考までに同じ箇所の訳を以下に引用しておきます。

    ************************************

    背後世界論者たちについて
    『すべての背後世界を創造したもの──それは苦悩と無能力であった。またそれは、最も苦悩している者だけが経験する、あのつかのまの、幸福の狂乱であった。一躍でもって、死の一躍でもって、最後の者に達しようとする疲労、もはや意欲しようとすらしない、或る無気力な無知な疲労、これがすべての神々と背後世界とを創造したのだ。』
    (ちくま学芸文庫版よりの引用)

    背後世界を説く者たち
    『苦悩と無力――それが、すべての背後の世界を作ったのだ。それと、深く苦悩する者のみが知る、幸福へのあのはかない妄想が。ひと跳びで、命がけのひと跳びで究極のものに至り着こうとする疲労感、精根尽き果てたあわれな無知な疲労感、それがすべての神々と背後の世界を創ったのだ。』
    (白水社版より引用)

    世界の背後を説く者
    『悩みと不可能、――それが一切の世界の背後をつくったのだ。そして苦悩に沈湎する者だけが経験するあのつかのまの幸福の妄想が、世界の背後をつくりだしたのだ。疲労はひとっ跳びに、命がけの離れ業で、究極のものに到達しようとする。それだけがもうせいいっぱいの意欲である、このあわれな無知な疲労感、これがすべての神々を生みだし、世界の背後をつくったのだ。』
    (岩波文庫版より引用)

    背面世界論者
    『苦悩と無能――それがすべての背面世界を創り出したのだ。また最も苦悩する者だけが経験するあのつかのまの幸福の妄想が、それらの背面世界を創り出したのだ。ひと飛びで、決死の跳躍で、究極的なものに到達しようと望む疲労感、もはや意欲しない疲労感、それがあらゆる神々と背面世界を創り出したのだ。』
    (中公クラシックス版より引用)

    背世界者
    『苦悩であった。無力であった。――苦悩と無力とがすべての背世界を造ったのである。さらに、苦悩の底に沈湎する者が経験するところの、かの倏怱の間の幸福の妄想、之も与って背世界を造ったのである。一躍もて、死の一躍をもて、最終に到達せんと欲する疲労、また、もはや意欲することを意欲せざるあわれむべき無智の疲労、――之がすべての神々を造り、背世界を造ったのである。』
    (新潮文庫版より引用)

    大地なき世界を見る者たち
    『ほとんど不可能だという思いが、苦悩の種となって――それがあらゆる大地なき世界を作った。最も苦悩する者だけが体験する、あの束の間の幸せをとにかくつかもうとする期待感――それがあらゆる大地なき世界を作ったのだ。未曾有のひとっ跳びで、一度だけの必死の跳躍で、究極のものに達しようとする疲労感、もはや意欲するつもりもなく、知恵に見放された哀れな疲労感、それがあらゆる神々と大地なき世界を作ったのだ。』
    (鳥影社版より引用)

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