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Re[24]: 和訳論(?)
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□投稿者/ おくたがわ -(2021/05/26(Wed) 15:27:20)
| 2021/05/26(Wed) 15:34:16 編集(投稿者)
図書館で純理の石川訳と天野訳を借りてきました。 その理由と訳について思うことを書きます。(だらだら長い文章になりました)
もともと英訳は原文に忠実という印象があり、pipitさんも同意見とのようでしたが、自分が英語読むのには時間がかかるのでそれを主体にはできない。 日本語であって、英文同様に原文に忠実なものがあればと(表現はやさしくなくてもいい)、原佑訳を買いましたが、疑問を感じる部分が目に付き、それで石川訳と天野訳を借りてきました。
今までに気になっていた部分および、最初の方(感性論の時間まで)を見た限りでの感想。
原佑訳:主述の関係や、接続詞と結末の述語の関係がズレているといった部分が目に付く。推測で修正できなくはないものの、やはり英訳を参照したくなるので、自分の目的には適っていないと思った。 しかし、日本語表現への落とし込みに難があるだけで、訳者の原文読解には問題はないのではないか(分からんけど)。 よって、他の訳と照らし合わせて役に立つ場合は多そうで、持っていて無駄ではないと思っています。
石川訳:良いと思います。自分の目的に適っていそう。 ネットの記事で、『石川がお奨めで次点が原』と大学の先生から言われたというのを見たのですが、原の方が安いし、原文に忠実そうという理由を付けて私はそちらを買ったのでした。ちなみに記事の書き手も、『高くても内容重視で買う方が良いと経験から思う』との趣旨を書き、そして石川の訳が好きだと言いながら、原佑訳を買っているというオチ(?)でした。文庫本だし。
天野訳:内容的にはとても良いと感じます。古い文体が苦にならない人であれば、石川訳に劣る部分は無いように思われます。新しい方が安心か-安い方がいいかだけ。 天野訳が非常に良いため長く新訳が出なかったという記事(かレビュー)を見ましたが、偽りのない評判のように思います。 今まで見た範囲では、唯一疑問点(カント自体の難解さではなく訳が変なのでは?と感じる部分-主に英訳と比べて)が無かったのが天野訳です。石川は一ヵ所あった。
中山訳:第1巻は持っていないので、具体的な読み比べはしていませんが、分かりやすさを追求して意訳が多く、[ ]で括って原文に無い補足の挿入も多い。もし中山さんの解釈が間違っていた場合、読者が自分で修正するのは難しいのでは(英訳他を参照しない限り)。つまり中山さんの解釈への依存度が強いのでは(?)。 最初に買ったけれど、他の訳も参照したいと思った理由はそれだったと思う。
以上、だらだら勝手なことを失礼しました。 専門家の訳を評価できる立場かよ、というお叱りの言葉もなくご清聴ありがとうございました(聴いてない)
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