□投稿者/ うましか -(2021/05/04(Tue) 06:02:58)
| おはようございます。pipitさん。 おじゃまします。
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今回は、超越論的原理論>超越論的論理論>超越論的分析論>「原則の分析論」。
『純粋理性批判』 序論 ← 済 超越論的原理論 超越論的感性論 ← 済 超越論的論理論 超越論的分析論 概念の分析論 ← 前回済 原則の分析論 ← 今回 超越論的弁証論 超越論的方法論
ここまでをまとめると、人間の認識は、物自体からの刺激を感性が受け取り、それが直観となり、悟性によってバラバラな直観をまとめるのに概念、つまり12個のカテゴリーである純粋悟性概念が適用されて成立する。そのさいバラバラな直観を私の経験とするのが超越論的統覚。
ところで直観に純粋悟性概念が適用できるのはなぜか?カントによれば両者を媒介する役割のものが存在する。それを「超越論的図式」、別名「超越論的時間規定」とよぶ。感性から得られた直観が時間の中でどう現れるか、それにみあうカテゴリー(純粋悟性概念)を当てはめようというルールブックが超越論的図式(超越論的時間規定)。
たとえばカテゴリー「実在性」。時間の中で何かしらの感覚が現れたら、それは実在しているとして純粋悟性概念の「実在性」を当てはめる。また、たとえばカテゴリー「原因性」。時間の中である感覚が現れたすぐ後に別の感覚が現れたから先に現れたほうを原因としようというかたちで「原因性」を当てはめるといった次第。
さてここまでの議論によりカントの認識論がそれまでの常識を変える「コペルニクス的転回」だという所以が理解できる。私たちの認識を超えた物自体の世界の側に何かしらの実在性や因果性があり、それが認識される(合理論、経験論)のではなく、物自体から感性を通して直観を受け取り、それらに私たちの純粋悟性概念をあてはめて、「〇〇は実在する」とか「〇〇は因果関係にある」と認識しているとカントは考えた。
カント認識論にしたがうならば、かりに太陽が西から昇りそれまでの「太陽は東から昇る」という経験が覆され否定されることがあっても、それは因果性、つまり私たちの純粋悟性概念のうちの原因性のカテゴリーが否定されたことにはならない。カテゴリーは人間にとっては真理なのだ。カントはこうしてヒューム経験論(因果性の否定)を乗り越えた。
あと3分ほどか〜
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私はこの動画で学んでいます。 https://www.youtube.com/watch?v=YE7d-fFT72c
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