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No12118 の記事


■12118 / )  Re[20]: 内的時間意識
□投稿者/ 悪魔ちゃん -(2021/04/23(Fri) 20:38:26)
    わたしのお話しのつづきは、
    No11875の(fd-1)についてね。
    《普遍的総合の根本形式はすべてを包括する内的時間意識である》って書いてある。《普遍的》っていうのはエポケーしといて、《内的時間意識》についてね。

    (FD)の訳注より、
    《Retention:「未来予持(Protention)」と対になって使われる。それぞれ、re-(後ろに)とpro-(前に)に、In-tention(志向)のtention(緊張、張られていること)をつけた造語。過去を主題的に振り返る「想起」、未来を主題的に見通す「予期」に対して、過去把持と未来予持は、時間的幅を持った現在の地平をなす、「たったいま」過ぎ去ったものを「まだ」保持する、あるいは、「いますぐに」来らんとするものを「もう」先取りする、非主題的な働きを指している。その意味で、原語には「過去」や「未来」という語は含まれていないことに注意。》

    「現象学事典」より、
    過去把持/未来予持〔把持/予持〕[(独)Retention/Protention (仏)retention/protention]
    《過去把持〔把持〕と未来予持〔予持〕とはともにフッサールの現象学において、もっとも根源的な意識層である時間意識の働きを指す用語であり、彼の初期時間論において当初〈第一次想起〉(primare Erinnerung=新鮮な想起=frische Erinnerung)、〈第一次予期〉(primare Erwartung)と呼ばれていたものが、それぞれ 過去把持〔把持〕、未来予持〔予持〕言い換えられ多用されるようになったという経緯を持つ。本項では、以下、慣用にしたがって 過去把持、未来予持の訳語を用いるが、言語には過去あるいは未来を表す語は入っていないことに注意すべきである。
     〈過去把持〉とは、あらゆる存在の源泉である〈原印象〉(Urimpression)において産出されて〈今〉として意識されたものを、次の瞬間、なおも、〈たった今過ぎ去った〉ものとして己の内に保持する意識の働きであり、原印象という核に対する「彗星の尾」にたとえられる。
    〈未来予持〉とは、〈まさに到来しつつあるもの〉を待ち受ける意識の働きである。
    意識の現在は、これら原印象を中核とする〈過去把持―原印象―未来予持〉による時間意識の総合の働きによって構成され、それによって瞬間的な点的〈今〉ではなく時間的幅を持った〈今〉が意識され、意識の現在に〈以前〉と〈以後〉の地平が形成されるのである。ところで、未来予持は待ち受けていたものが原印象において産出されれば次々に充実されていくが、他方、原印象は別の新たな原印象が絶えず出現してくることによって過去把持へ、さらに過去把持の過去把持へと変様して連続体を成し、次第に消失していく。しかもフッサールによれば、未来予持は裏返しにされた過去把持であり、やはり連続体を成すとされているから、かくして意識は形式上、そのつどの原印象を境にして未来予持と過去保持とが連続体を形成し、その全体が原印象の絶えざる出現とともに一つの〈流れ〉を形成している、と考えられるのである。
     初期時間論においては、時間の起源を想像の領域に求めたブレンターノの根源的連合説や、時間客観の瞬間的な知覚作用を主張したマイノングとの批判的対決を通して、フッサールが〈時間的広がりを持った知覚〉およびそれの〈時間的幅を持った今〉という思想を形成した際に、とりわけ過去把持(第一次想起)の概念が中心的役割を演じた。そこでは過去把持(第一次想起)は時間的客観の十全的知覚を構成する本来的契機として捉えられ、これが〈第二次想起〉としての〈再想起〉に対置され、際立たせられている。つまり再想起(第二次想起)の一構造契機であり、現在化(Gegenwartgung)に属する、とされるのである。
     中期以降のフッサールにおいては、時間意識が受動性の最深の次元に位置づけられていくのに応じて、過去把持と未来予持は、自我の関与なしに受動的かつ連続的に機能する総合の働きとして捉えられるようになる。そしてこのような最も普遍的で根源的な内的時間意識の総合にもとづきつつ、さまざまな段階の意識の総合が発生的に解明されたのである。》

    〈今〉、生の意識の受動(感性)的領域ではこのようなことが起こっている、って、ひとまずしとく。

    長くなちゃったので、これについてはまた後で見てゆくことにしま〜す。

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