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No11866 の記事


■11866 / )  Re[5]: 四月馬鹿さんへ
□投稿者/ 四月馬鹿 -(2021/04/14(Wed) 00:06:22)
    こんばんは、pipitさん。

    忙しいときにかぎっての現実逃避(息抜き)の動画メモです。

    *************

    カントは物理の研究から出発したが、彼が生きた当時には合理論VS経験論の論争があり、カントは合理論(「理性の合理的推論によって世界は正しく認識できる」)の立場だった。こうした立場に対し「私たちの理性とか人格とかいったものは、経験によって作られるに過ぎない」と主張したのが経験論。この立場は「経験によって得られた<知覚の束>こそが私たちの精神の正体なのだ」と考えた。

    例をあげるならば、私たちは日々東から昇った太陽を観察し「太陽は東から昇る」ことを自然法則だと考えるが、経験論によれば、ある日太陽が東から昇ったことと毎朝東から昇ることには直接因果関係はなく、たんに繰り返し観察した結果「太陽が東から昇った」という経験の束により、それを「自然法則」とみなしたに過ぎない。つまり私たちの作り上げた形而上学的な概念は経験によるもので、実在しないということ。

    「理性の力でなんでもできる」という合理論の立場だったカントは、ヒューム『人間本性論』にあるような、人間の精神や知識もしょせん経験によるものだという懐疑的な経験論を読んで衝撃をうけ、合理論の限界を感じ始める。カントは理性によって解くことができない問題があることに気づいた。それが『純粋理性批判』でも取り上げられている「アンチノミー」である。

    ところでカントはヒュームによって合理論の限界を感じた一方、経験論にも疑問を感じた。それは、個々人ごとのバラバラな経験はどうやってカテゴライズされたりまとめられたりするのか、また、私たちはそれぞれバラバラな経験をするにもかかわらず、純粋数学や自然科学のような経験によらない学問を生み出したりするのは、なぜだろうというものであった。

    これで8分半、やれやれフー
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